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サラリーマン小説で一世を風靡した源氏鶏太

サラリーマン小説で一世を風靡した源氏鶏太

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 源氏鶏太は、檀一雄と同じく明治四十五年(一九一二年)生まれ。昭和二十六年(一九五一年)「英語屋さん」等で第二十五回直木賞受賞。ユーモアあふれる文章でサラリーマン小説の第一人者となった。

 昭和三十五年(一九六〇年)の文壇長者番付は、トップが松本清張、二位が源氏鶏太。以下、川口松太郎、吉川英治、舟橋聖一と続く。

〈氏がサラリーマンをやめた時の地位は総務部次長。だが今は東宝の重役と文芸家協会の経理担当理事を兼ね、どこからみても堂々たる“一等重役”の貫禄充分というところだ〉

〈「わたしは名所旧跡には全く興味がない。わたしの興味は動くもの、人間だけだ」と氏は述懐したことがある。にぎやかなことが好きで、会合などには仕事をやりくりしてなるべく出席するという〉(〈別册文藝春秋〉昭和三十六年=一九六一年六月号)

 ベストセラー『三等重役』は東宝によって映画化され、流行語となる。人事課長役だった森繁久彌は後に社長役となって「社長シリーズ」が誕生する。写真は昭和三十六年撮影。

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