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映画「真夏の方程式」のプロデューサーに聞いた「活字の力、映像の魅力」

映画「真夏の方程式」のプロデューサーに聞いた「活字の力、映像の魅力」

鈴木 吉弘 (映画プロデューサー)

『真夏の方程式』 (東野圭吾 著)

出典 : #本の話
ジャンル : #エンタメ・ミステリ

『真夏の方程式』 (東野圭吾 著)

 それから東日本大震災の影響も大きかったですね。科学技術の発展と自然破壊、あるいは人間の幸せ、というのが大きなテーマですが、震災後の日本にはまり過ぎてしまって、便乗企画に見えてしまうのではないか、という危惧があった。単行本の刊行が2011年6月で、当時は、震災の傷跡がどれほどのものになるか分かりませんでしたから。

 でもさらに数ヶ月議論を重ねて、内容的には何ら問題ない、むしろこういった作品を世に出すべきではないか、ということになりました。

 そして映画化の作業に入るわけですが、まず直面するのが尺の問題です。あの本を忠実に映画化しようとすると10時間かかる(笑)。8割カットして2時間にするのが映画化の作業なので、最低限どこを残さないといけないのか、という発想になります。それから小説のガリレオシリーズは基本的に群像劇で、複数の人の目線で事件全体を描いていくけれど、映像化の際は湯川を中心に置いて話を進めないといけない。そこが大変なんです。この作品では、事件現場の町にいる湯川と、東京で捜査している草薙とが完全に分かれてしまっている。東京の部分は、大胆にカットするしかないわけです。

【次ページ】東野さんも映像で見たかった!?

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