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芥川賞の候補に六回選ばれた、なだいなだ

芥川賞の候補に六回選ばれた、なだいなだ

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 作家で精神科医のなだいなだは、本名堀内秀(しげる)。ペンネームは、スペイン語で「何もなくて、何もない」を意味する。昭和四年(一九二九年)東京生まれ。旧制麻布中学入学。五年上に吉行淳之介、三年上に奥野建男、二年上に北杜夫がいた。同級生にも小沢昭一、フランキー堺、加藤武、仲谷昇と錚々たる顔ぶれがいた。陸軍幼年学校を経て、終戦後麻布中学に復学。慶応義塾大学医学部予科に進学する。アテネフランセに通い、仏政府給費留学生となりフランスに留学する。現地で知り合ったルネ・ラガーシュと結婚し、帰国する。

 北杜夫、佐藤愛子、加賀乙彦、中上健次らと同人誌を作る。昭和三十四年、「海」で芥川賞候補となったのをはじめ、以後芥川賞の候補に通算六回なり、川端康成らに高く評価されるが、結局受賞には至らなかった。

 勤めていた病院の院長をモデルとした小説が原因で、院長の不興を買い、結局病院を退職する。国立医療機関として初めてアルコール依存症の専門病棟を備えた久里浜病院に勤務する。

 平成十五年(二〇〇三年)、「老人党宣言」を上梓。これをきっかけに、インターネット上のヴァーチャル政党、老人党を立ち上げた。平成二十五年没。写真は平成二十一年撮影。

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