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「ハビビ」は幸福のキーワード

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「本の話」編集部

『ハビビな人々――アジア、イスラムの「お金がなくても人生を楽しむ」方法』 (中山茂大 著)

出典 : #本の話
ジャンル : #ノンフィクション

──なぜですか?

中山  サウジアラビアには観光ビザがないんです。巡礼ビザに、トランジット・ビザ、就労ビザはあるんですが、我々旅行者にとって一番大切な観光ビザというシステム自体がないんです。メッカに行きたいと言っても我々はイスラム教徒ではないので、巡礼ビザは取れない。トランジット・ビザはよほど担当者に気に入られないともらえない。もちろん出稼ぎ労働者でもない(笑)。泣く泣くサウジ入りは断念しました。

羊の頭の煮込みに悶絶

──食べ物はどうでしたか?

中山  美味(おい)しかったのは、ネパールのカレーですね。ダルバートという豆のカレーですけど、飽きなかったですね。ご飯と混ぜて手で食べるんですが、我々夫婦が現地のネパール人に「手で(食べる)食べ方を教えてくれ」とか言うと、面白がって教えてくれるんです。きっと日本人に教えていることを楽しんでいるんでしょうね。

──逆にこれは食べられないと思ったものは?

中山  やっぱりラムズヘッドシチューですね。羊の頭の煮込み。脳みそが見えるのを食べるんです。あまりにもグロテスクで。あと当時、狂牛病騒ぎがあったので。それでも、ちょっとだけ、食べました。口の中が痺れるような、何とも言えない濃厚な味でした(笑)。

──お聞きしていると、のんびりしていていいなあと思うのですが、逆に怖かった体験、盗難などには遭わなかったのでしょうか?

中山  それはもう小さいもの、ボッタクリのレベルならしょっちゅう。

  一番被害がひどかったのは、インドの列車で置き引きに遭ったときですね。一瞬目を離した隙にカバンを盗まれたんです。その中にあらゆる貴重品が入っていまして。パスポートやら電子機器とか。パスポートは再発行に手間がかかりましたし、電子機器の被害額は三十万円くらいで、カード保険の補償額を大きく上回ってしまいました……。

単行本
アジア、イスラムの「お金がなくても人生を楽しむ」方法
ハビビな人々
中山茂大

定価:1,728円(税込)発売日:2010年02月09日

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