桜玉吉さんの新刊『日々我人間』は、週刊文春の連載3年分150回をまとめたものです。
開始当初は東京の漫画喫茶に文字通り住んでいた玉吉さんは、連載開始から1年半たって、伊豆の山荘にその居を移しました(なぜ伊豆に家を持っているのかとか、なぜ漫喫に住んでいたのかなどは、これまでの玉吉さんの作品を手に取っていただくと何となくわかるのではないかと思います)。単行本のちょうど半分くらいで住処が変わったので、前半を「東京・漫喫編」、後半を「伊豆編」としました。
>>>【動画】玉吉インタビュー in 伊豆
刊行に先立つ10月某日、伊豆に玉吉さんを訪ねました。
今回は玉吉さんが駅まで車で迎えに来てくれるというので、「踊り子号」の旅。待ち合わせの駅に到着すると、少し時間が早かったので、近くの海岸を散歩しました。そう、玉吉さんが連載第107回でかきあげそばを食べていた、あの堤防です。
そば買ってくればよかった! この回の原稿の後、こんな写真も送られてきました。
やってきた玉吉さんの車に乗ると、「じゃあ、あそこいこうか?」。
スタートした車は温泉街を離れ、どんどんスピードを増して山道を登っていきます。ちなみに玉吉さんの運転はうまい。けっこうなスピードで山道を飛ばしますが、すぐ脇がガケでもまったく安心です……。
さて、あそことは? 玉吉さんが指さす先には、山の稜線にそびえる何基もの風車が!
そうこれです。近くに行くと、ブヲンブヲンと不気味な回転音が続き、どこか終末を思わせる光景が広がっていました。
「前にあのプロペラの羽根が一本飛んで、下の家のオヤジが怒ってたよ(笑)」と玉吉さん。それは本当に恐ろしい……。
「伊豆に来たら家のメンテナンスや虫・動物との戦いとか、やることが多くて大変。住環境としては、漫喫のほうが良かったかも……。週刊誌連載は『ファミ通』以来。最初は大丈夫かなと思ったけど何とかやっています。求められるものを考えて、地味な漫画を描いています。単行本、どうぞよろしくお願いします」
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