胸のすく話を書きたいなと思ったのが、構想の最初にありました。
終身雇用制が崩れ、サラリーマンが安泰な職業ではなくなった今、組織の都合でいとも簡単にクビを切られるという現実が定着しています。その一方で、会社の中で高いポジションにいながら、それを悪用している輩もいます。真面目に働いている地位の低い者が酷い目にあうという構図が昔よりも顕著になってきました。
先が見えないサラリーマン社会の現状においては、自分の存在意義や生きがいを社外に求める人たち、プロボノと呼ばれる、職業上持っている知識・スキルや経験を活かして社会貢献し、人から感謝されることで喜びや生きがいを得るという人が増えてきました。じゃあ、そのプロボノというのは、労働としての貢献だけに通用するものなのか。いや、世の中において一見役に立たないと思われている技能や能力が、人の恨みを晴らすことに応用できたら、物語として面白いのではないかと思ったんです。タイトルをカタカナではなくひらがなにしたのは、「プロボノ」に定義されるようなものとは一味違う、必殺仕置人のような意味を込めています。「ぷろぼの」の活躍をぜひ楽しみにしてください。
「別冊文藝春秋 電子版2号」より連載開始
プレゼント
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。