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文化、芸術を愛した佐治敬三の趣味は油絵

文化、芸術を愛した佐治敬三の趣味は油絵

文・写真:「文藝春秋」写真資料部


ジャンル : #ノンフィクション

 佐治敬三は大正八年(一九一九年)、寿屋(現在のサントリー)創業者・鳥井信治郎の次男として、大阪に生まれる。母方の縁者の養子となり、佐治姓を名乗る。昭和十七年(一九四二年)、大阪帝国大学を卒業し、寿屋に入社。長男が早世したため、二代目社長となる。

 昭和三十六年、寿屋会長に就任。昭和三十八年、社名をサントリーに変更する。昭和六十年、大阪商工会議所会頭に就任。平成元年(一九八九年)、勲一等受章。平成二年、サントリー会長に就任する。

 父の経営哲学だった「やってみなはれ」の精神を受け継いで、サントリーを世界有数の洋酒メーカーに育て上げた。

 文化人としても知られ、本業の洋酒製造・販売のほか、幅広い人脈を活かして、サントリーホールの建設や、美術館建設、あるいはサントリー学芸賞の創設などにも力を注ぎ、文化、芸術などへの貢献を果たした。サントリーホールの建設にあたっては、世界的指揮者・カラヤンを表敬訪問し、そこで演奏家と観客が一体感をあじわえるというヴィンヤード(ブドウ畑)形式を熱心に勧められ、その進言を即座に聞き入れて設計を変更したといわれる。

 また、昭和四十六年には、関西公共広告機構(現在のAC)の発起人となった。

 写真は平成二年二月、静岡県の伊豆高原にある別荘にて撮影。

「十年ほど前から始めた油絵は、いまでは毎年政財界の画人が集まって開く展覧会に出品するほどの腕前。『画を描いているときは何も考えなくてすむから』。製作は別荘で過ごす休暇があてられる」(「文藝春秋」平成二年四月号「日本の顔」より)

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