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大宅壮一は造語の天才だった

大宅壮一は造語の天才だった

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 大宅壮一は一九〇〇年(明治三十三年)生まれ。文字通り二十世紀を駆け抜けたジャーナリストだった。

 〈「ぼくは生れてこのかた一度もタダ原稿を書いたことがない」。大宅さんはいう。小学校中学校の時代から、自分の原稿は新聞雑誌に投書して立派に稿料をもらっていたわけだ〉(「文藝春秋」昭和四十三年=一九六八年四月号)

 栴檀は双葉より芳し。

 しかし、旧制茨木中学校在学中に危険思想の持主とみなされ、退校処分の憂き目にあう。その後、専検(旧制中学校卒業と同等の資格試験)に合格して三高、東大に学ぶ。戦後は評論家として活動。テレビの急速な普及を「一億総白痴化」、乱立する地方国立大学を「駅弁大学」、接待の場として使われるゴルフ場を「緑の待合(料亭)」など、戦後日本の世相をとらえた絶妙のフレーズを次々に編み出した。権威におもねらない毒舌家としても親しまれ、“マスコミの帝王”とも呼ばれた。

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