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著者インタビュー 奈良橋陽子<br />「キャスティングはマジック。新しい才能と出会うとワクワクします」

著者インタビュー 奈良橋陽子
「キャスティングはマジック。新しい才能と出会うとワクワクします」

「本の話」編集部

『ハリウッドと日本をつなぐ』 (奈良橋陽子 著)


ジャンル : #ノンフィクション

シャーロット・ケイト・フォックス

――9月から始まるNHKの朝ドラ「マッサン」のヒロイン、シャーロット・ケイト・フォックスさんのキャスティングにも、ご協力されたそうですね。

奈良橋 「国際色豊かなドラマをつくりたい」というNHKの意向を受けて、私の会社のスタッフが連続テレビ小説『花子とアン』で英語のダイアローグ・コーチをしたり、いろいろと協力させていただいていたんです。その延長で、今回のヒロイン探しの話もきたんです。『マッサン』の外国人ヒロインを探しているということで、候補者の一人としてシャーロットを紹介したんです。応募してきた彼女の経歴を見ると、私が学んだ演劇学校の先輩が教えていたんですね。その先輩に聞くと、「彼女ならOK!」ということだったので、私も自信を持ってNHKに推薦したんです。初めての日本で、初めての日本語という大変なチャレンジですが、シャーロットには本当に頑張ってほしいですね。

――本書のなかでは、奈良橋さんが学生時代に学んだ英語劇の恩師であるリチャード・ヴァイアさんが提唱された、「Talk & Listen」という演劇理論が、奈良橋さんの人生におけるテーマとして何度も出てきます。

奈良橋 たんに演劇だけではなく、コミュニケーションの原点だと私は考えています。自分のことを真剣に話し、相手の言うことをしっかりと聞く――Really Talk & Really Listen は、簡単にできそうですが、実践するのは凄く難しいことです。それを実現するには、相手とのコミュニケーションが重要。演技では相手との一瞬一瞬のコミュニケーションが大事で、それがないと嘘の芝居になってしまう。そこが、ドラマの凄さです。そして、それは人生でも同じです。年をとると、一期一会のありがたみがよくわかります。「あ、またね」と通りすぎてしまったら、二度と会えないかもしれない。一瞬一瞬を大事にすることを、私は演技から学びました。

――今後の奈良橋さんの活動は?

シャーロット・ケイト・フォックスと著者

奈良橋 これからは映画をつくっていきたいですね。俳優の場合は、謙さんや凛子さんなど、かなり活躍していますから、次は作品。オリジナルの脚本で、私がキャスティングし、監督をした映画で、世界と勝負したい。いま中国や韓国の映画監督は頑張っているけど、日本人は滝田洋二郎監督が『おくりびと』でアカデミー賞外国語映画賞をとりましたが、まだまだですからね。

――最後に読者へのメッセージを。

奈良橋 本書のなかで、ハリウッド映画の舞台裏やスターたちの興味深いエピソードをたくさん書きました。もちろんそれを楽しんでもらいたいのですが、同時に、夢を追いかける素晴らしさも読者の方々には知ってほしい。夢を追いかけたっていいじゃないかって、声を大にして言いたいですね。私にしろ、朝ドラで頑張っているシャーロットにしろ、みんな一緒です。だから、自分を見失っていたり、自信を失っている人には、ぜひ読んでほしい。そんな人の、ちょっとしたヒントになれば本望です。

ハリウッドと日本をつなぐ
奈良橋陽子・著

定価:本体1,350円+税 発売日:2014年09月22日

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