2010.11.20 インタビュー・対談

音楽で紡がれた二作品の魅力とは?

聞き手: 「本の話」編集部

『第二音楽室』『聖夜』 (佐藤多佳子 著)

音楽で紡がれた二作品の魅力とは?

──タイトルの“第二音楽室”について伺いたいのですが、通われていた学校に屋上教室があったとか。

佐藤 公立の小学校でしたが、当時は――何年前だろう、四十年近くですかね? ――都心の小学校でも四、五クラスあったんですよ。生徒数が多かったためか、音楽室が二つありました。第一音楽室は、二階にあり、グランドピアノや音楽家の肖像画がある重厚な雰囲気。 第二音楽室は、階段を上りきった先の屋上に部屋がありました。隣は体育倉庫でした。屋上でも、体育の授業や部活をしていましたからね。

──何部にいらっしゃったんですか。

佐藤 三年間、ポートボール部で、屋上での活動でした。色々、思い出のある場所なんです。体育倉庫にも、こっそり潜り込んで、それこそ秘密基地みたいに使って遊んだりしましたし。

──屋上は、なつかしい場所だったんですね。

佐藤 ええ。自分の中にそういう屋上のいいイメージが強く残っていたのと、第二音楽室は、ピアノが一個ポーンとあるだけの、簡単な造りの教室だったんですけど、場所柄、光がたっぷり入る明るい教室で、その時の音楽の先生も優しかったし、すごくいい思い出なんです。

──合唱を除き、二作品全五篇で四つの楽器が登場しますが、それぞれどういういきさつで選ばれたのでしょうか。

佐藤 最初の「第二音楽室」は鼓笛隊の話で、ピアニカです。私たちのころ、大人数でやる楽器はリコーダーだったんですけど、今は、ピアニカなんですね。このお話では、生徒が減っているせいで、鼓笛隊の中の“大勢”が少なくなってしまって生じた微妙な状況を書いてみようということで、ピアニカになりました。

第二音楽室
佐藤 多佳子・著

定価:1500円(税込) 発売日:2010年11月13日

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聖夜
佐藤 多佳子・著

定価:1450円(税込) 発売日:2010年12月10日

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