2015.01.20 書評

We Love Nippon!
日本に住む普通の外国人の目に映った
愛すべき“奇妙な”私たち

文: 加藤 恭子

『日本人のここがカッコイイ!』 (加藤恭子 編)

 バスの中、ある停留所を過ぎようとしたときのことである。

「殺してください。私を殺してください」

 と、1人のスリランカ人男性が叫び声を上げた。凍りつく車内の乗客たち。運転手だけが冷静だった。

「ここで降りたいのですか?」

「はい」

 爆笑にかわった車内。なるほど「コロシテ」と「オロシテ」は、1字しか違わない。

 トルコからの女性留学生は、多くの日本人のマスク姿に驚いた。トルコで白いマスクをつけるのは、重病人か伝染病の人たちだけ。

「大変な病気なのに、こんなにたくさんの日本人が、それをおして働いているなんて……」

 と、18歳の彼女は感動した。

 英語教師のアメリカ人男性は、東京のような都会でも、落し物が戻ってくることに驚いている。

「財布をうっかり落としてしまったり、大切な物を置き忘れてしまったことが何度かありましたが、なくした物はすべて私の手元に戻ってきました」

 東北の大災害をベルギーのテレビで見た70代の女性は質問する。

「被害者たちは、なぜ泣き叫ばないの? 略奪や反乱もない不思議さ。極度の困難を、勇気と品位をもって受け入れる。サムライの名誉をかけた行動なのかしら?」

 賛辞とともに、多くの疑問も寄せられた。

 家に上がるときには靴を脱いで、スリッパをはく。トイレでは、また別なのをはく。面倒ではないのだろうか?

 日本では父親が子供と一緒にお風呂に入る。女児でも。「イタリアではモンダイです。警察がすっとんできます」

 西暦と和暦を使いこなすのは大変。どうして2つを併用するのか理解できない。

「遊びにおいでください」と言われて待っていても、連絡がこない。ただの“社交辞令”なのだろうか?

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日本人のここがカッコイイ!
加藤恭子・編

定価:本体780円+税 発売日:2015年01月20日

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