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阿部智里「八咫烏シリーズ」第一部堂々完結! 発売直前『弥栄の烏』を全国書店員さんがレビュー(2)

『弥栄の烏』

 阿部智里さんの松本清張賞受賞作『烏に単は似合わない』からはじまった、85万部突破の大ヒットファンタジー「八咫烏シリーズ」は、発売中の『弥栄の烏』でいよいよ第一部完結しました。

 周到に仕掛けられた謎解きとどんでん返しの行方は――本書見本版をお読みいただいた書店員さんから届いた大反響を、一部抜粋してご紹介させていただきます!

書店員さんからの感想(1)はこちら>>

☆ネタバレには最低限留意していますが、
内容・結末に触れている箇所もあるのでご注意ください。

『弥栄の烏』阿部智里(7/28発売)

 最初に『烏に単は似合わない』を読んだ時は、ファンタジーだと思っていたら、最後は本格ミステリで、すごい才能が現れたとびっくりしました。ファンタジーの世界の構築力とミステリとしての完成度の高さ、両方を兼ね備えた稀有な才能だと思いました。

 また、前作の『玉依姫』では現代の日本に話がつながり、その物語のスケールの大きさに圧倒されました。よく鈴木光司さんの『リング』『らせん』のようだと吹聴していました。惜しむらくは、この興奮を味わってもらうためには、5巻まで読んでもらわないといけないことでした。とりあえず、まず1巻の『烏に単は似合わない』をただのファンタジーだと思っていたら、最後に絶対びっくりさせられる、とおすすめして回っています。

 さて、『弥栄の烏』を読んで、今作の魅力は何といっても大猿との戦争ですが、今回は、(銀英伝のような)戦記ものを書く才能もあるのかと驚かせられました。雪哉が最後は烏の世界を救ってくれるのではないかと勝手に想像していますが、そうなるにせよ、そうならないにせよ、またアッと思わされる展開で物語の面白さを教えてくれると期待しています。

(ジュンク堂書店吉祥寺店 川島)

 

 実はこの物語は完璧に自分好みの作品のため、読み始めたら仕事も家事も放り出すに決まっているからと、大変失礼ではありますが2巻目以降はずっと読むのを我慢していたため、今回プルーフをいただくにあたり既刊すべてを拝読する機会をも頂戴できたことは本当にうれしく幸せでした。(余談ですが、読んでいる間、家事機能はほぼ止まりました。)

 先日、弊店をよくご利用くださる年配のご夫婦から、店内で1巻目が目にとまり購入してみたところお二人してハマってしまい、既刊全てを一気読みして次巻の発売を心待ちにしているとのお話を伺う機会がありました。また、『空棺の烏』の単行本が発売されたときに、併設の珈琲館をご利用くださる年配の女性も1巻をお買い上げのあと、ご来店のたびに2巻目、3巻目・・・とお買い上げくださり、若い世代だけではなく幅広く親しまれていることを実感しております。もうすぐ発売されますとお伝えしたころ、どちらのお客さまも楽しみだと、心待ちしてくださってるご様子でした。

 今回、『玉依姫』を読んでいたにも関わらず、物語の最期のギリギリまで事が起こり、手に汗を握らされ、この先ってどうなるんだったっけ? あれ・・・? もしかしたら、え? 最悪の結末? などとどうしようもなくドキドキさせられました。

 1作目を拝読した時から感じましたが、物語は最後の最後まで本当にどうなるのかがわからず、気持ちを落ち着けて読んできた過程を思い起こせば、其処此処に巧みに伏線が張り巡らされ、 それぞれが私の未熟な思考では思いもつかない展開と結末には、読み応えという言葉以上の満足感を味わせていただきました。

 だからこそこれほどまでに読者の皆さまがまだ見ぬ次巻が待ち焦がれるのかもしれませんね。映像化されたらどうなるか、思わずそんなことまで考えてしまいました。こんなにも物語の続きが楽しみに思えた作品は初めてかもしれません。素敵な作品を、本当にありがとうございました。

(七五書店 森 晴子)

 

 八咫烏ファンに衝撃が走った前作『玉依姫』と表裏をなす一冊。第一部の完結編はワクワクのらせん階段が今まで以上にぐるぐる巻きになっていました。

 いやいやいやいや、奥が深すぎるよ、山内!この奥行きの深さが八咫烏シリーズの醍醐味。読み終わった時、ビールを一気飲みしたみたいに「ぷはーっっ!」と叫びましたよ。

 なんていうか、単純な烏王国物語じゃないところにみんな心惹かれるんですよね。はやく続きが読みたい。いったいどうなる。どうなる!

(精文館書店中島新町店 久田かおり)

 

 ついに第一部完結!どんなフィナーレになるのだろうとワクワクしながら読み始めました。前作「玉依姫」では描かれなかった烏側の視点を通して、さらに山内の経緯が明らかになった今作!巻が進むごとに広がりと深みを増してゆく宇宙に夢中になるばかりです。

 完結したばかりですが、次回作がとても楽しみです。

( BOOKPORT大和店 齊藤)

 

 一刻も早く読みたいと願う一方で、一秒でも長く読んでいたいというジレンマを抱えながら読んだ。『弥栄の烏』、第一部完結巻。山内を襲った未曽有の危機、猿との戦いに決着がつくというだけでなく、何かが終わってしまう、そんな寂しい予感を抱いていた。けれど読み終えて感じたのは「終わり」ではなく「はじまり」の予感だった。八咫烏たちの物語は続いていく。またそれを楽しみに待つことができるのだ。それが嬉しい。 

 第一巻から登場してきた八咫烏たちの成長や変化は、驚異的だ。第一印象からここまで変わるかという人物も多々いる。それは作風が変わったのではなく、作者が意図し伏線を張り続け回収して見せてくれた変化なのだと確信している。だからこそ、こんなにも自然に八咫烏たちが生きていると感じるのだ。彼らの歴史、彼らを育てた環境、こんな風にふだん会話をしているんだろうとか、こんな表情を見せるんだろうとか、物語の中に書かれていない彼らの日常の営みの存在まで感じている。

 読むひとの心の中に彼らを生かし続けることができる。何よりも阿部智里という作家が物語の創り手として素晴らしい点だと思う。彼らに物語の中でまた会えるその日まで、本を売り続けて待っています。  

(紀伊國屋書店グランフロント大阪店 山本 菜緒子)

 

 今回最も人間?として深みが出たのは真赭の薄かな。思えば「単」の頃のえぇとこのお嬢さんキャラから付き従う役割へと立ち位置を変えた彼女、守るべきものがあることで本来の資質が発動したのだと思う。

 一方、「切れ者」にはひと握りの優しさや余裕が無くなれば一気に「冷徹」「冷酷」へ変貌してしまう危ういものだと改めて感じた。

 

(紀伊国屋書店名古屋空港店 山崎蓮代)

弥栄の烏阿部智里

定価:本体1,500円+税発売日:2017年07月28日

玉依姫阿部智里

定価:本体1,500円+税発売日:2016年07月21日

空棺の烏阿部智里

定価:本体700円+税発売日:2017年06月08日

黄金の烏阿部智里

定価:本体670円+税発売日:2016年06月10日

烏は主を選ばない阿部智里

定価:本体670円+税発売日:2015年06月10日

烏に単は似合わない阿部智里

定価:本体700円+税発売日:2014年06月10日

しのぶひと阿部智里

発売日:2017年07月28日

ふゆきにおもう阿部智里

発売日:2017年07月28日

すみのさくら阿部智里

発売日:2017年07月28日