作品
定年後に何を読むかは重要な課題だ。それに応えて余りあるのが本書だ。この1冊があれば、古典も歴史も90歳を過ぎても読了しない。
大黒様を捨てようとして始まる日常の中の異次元世界。日本文学史に衝撃的に登場した芥川賞作家の処女小説。「河原のアパラ」を併載
夫は10年以上前、日記に「真鶴」と記して失踪した。京は娘、母と3人暮らしをしながら、恋人と付き合い、真鶴と東京の間を往還する
人間とはなんと愚かで醜いのか。どんな人間も一皮むけば“業”に囚われているのだ。私小説の名手が描く、妖しくも哀しい掌篇小説集。
ディドロ、サルトル、西鶴、大江をどう評価するのか? まったく新しい文学観で世界・日本文学全集全300巻を編み直す画期的試み
「江戸の粋」を、ルポ、エッセイ、対談などを通じて立体的に紹介。現代につながる「心のありよう」とは。
テーマは「海が教えてくれた」。「海」のもつ多彩な「顔」を紹介。日本人にとってゆとりとは何かを考える。
向田邦子の見た「昭和」とはどんな風景だったのか。子供時代を夕張で過した作家は「昭和の町」で何を感じるのか。昭和を立体的に論じる
「ボードレールもランボオも、アランもドストエフスキーも、西行も実朝も、ゴッホもセザンヌも、なにもかも小林秀雄に教わった」
「いま読んで面白い作品を」。新しい文学観で、従来とは全く違う刺激的文学全集(世界・日本篇)を編みなおす壮大な試み。議論沸騰必至
何げない日常から迷い込んでしまった夢とも現ともつかぬ世界――「新しい幻想文学の誕生」と絶賛された芥川賞作家彫心鏤骨の連作
一瞬の生と無限の美との間で麻薬の罠に転落し、投獄された画家・哲郎。兄を救うためカヲルはバリ島へ飛ぶが。毎日出版文化賞受賞
世を厭い、人を呪って生きてきた「私」。その生の無限の底にうごめき、人を狂わせる情念を描ききって慄然とさせる七篇の傑作短篇
旅をかさね、人と世界を透徹した目で見すえ、しなやかな文体で描きつづける著者の九○年代前半の短篇集。「眼る女」「アステロイド観測隊」「北への旅」「眼る人々」「パーティー」ほか。(三浦雅士)
近代は身体を記号のごとく規格化してきた。ダンスの淵源・歴史を辿り、フォーサイス、ギエムなど輝かしき身体の芸術家を論じ尽す
自分でもわからぬ樹木の影への不思議な愛着。現実と幻想の交錯を描く、川端康成文学賞受賞作。これぞ、短篇小説の快楽! 「鈍感な青年」「樹影譚」「夢を買ひます」収録。(三浦雅士)
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