作品
詐術とは無縁に生き抜いた小国・宋の名宰相・華元。大国・晋と楚の和睦を実現させた男の奇蹟の生涯をさわやかに描く中国古代王朝譚。
秀吉への貢ぎ物としてポルトガルから渡来したぎやまんの手鏡が、於祢やお茶々、お江、尾形光琳や赤穂義士らの心模様を写し出す――。
大正の世まで生き延びた新選組最強の剣士・斎藤一が語る、近代国家日本の幕開けと壮絶な人間ドラマ。巨大な感動が襲う傑作時代長編。
舞台は戦国期の京。公家の山科言継と家来の掃部助は、庶民の相談に興味を持つのだが、彼らのせいで事態はさらに混乱してしまう
十代将軍・家治の治世、幕府を恨み連綿と暗躍をつづける謎の徒党があった。“八嶽党”と名乗るかれらは老中・田沼意次に通じ奇怪な策謀を開始する。伝奇時代小説の傑作。(清原康正)
激動の明治時代、実に三度も首相の座に就いた桂太郎。妥協と忍従の姿勢の陰で、桂は新生日本のために様々な布石を打っていた——
深川の長屋に住む千吉が再び傭われ船頭として海に戻った。右手から投げる長さ八寸の銛を武器に様々な事件を解決する。江戸の下町と海を舞台にした痛快連作長篇小説。(清原康正)
大正の医学界を震撼させた伝染病研究所移管問題。政界、東大、軍部の理不尽な思惑に抗い、己の理想を実現させようとした大医学者の半生。他「正丸峠の帝王切開」収録。(清原康正)
華奢な外容の下に、冷酷な本性を秘めた天智天皇。彼は天に叛いて実妹・間人を愛し、弟の妻・額田女王を奪った。鞍作暗殺から崩御までの濃密な人間模様を描く古代短篇集。(清原康正)
見えない月の音をきくような女の性の不思議さと男たちの激流に流されながら、強く生き抜く神楽坂芸者桂子を、情感あふれる文体で描く長篇小説。表題作の他「渡月橋」収録。(清原康正)
“日本最高の戦術家”と称された児玉源太郎。日露戦争の激戦地二〇三高地攻略の立役者として知られている児玉は宰相の座を目前に急死する。明治の軍人の波乱の人生。(清原康正)
“頭取の椅子”をめぐる“実力会長”と“野心家頭取”の熾烈な闘い――。銀行内の派閥抗争、杜撰な経営など、バブルの元凶となった銀行の暗部にメスを入れた話題の長篇。(清原康正)
若年ながら包容力のある庄右衛門。男気で人を集める清右衛門。二人を玉川上水開鑿に駆り立てたものは何か!? 多くの困難を乗り越え、江戸に命の水をひいた兄弟の感動巨篇。(清原康正)
日本人戦争孤児で、中国人の教師に養育された陸一心。肉親の情と中国への思いの間で揺れる青年の苦難の旅路を、戦争や文化大革命などの歴史を背景に壮大に描く大河小説。(清原康正)
一見身勝手で不器用な明治の武人とそれに殉じた妻。“軍神”“烈婦”とたたえられた乃木夫妻の間に交錯した愛憎を描き、秘められた真実の声をさぐる伝記文学の傑作。(清原康正)
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