作品紹介

丸の内の大手商社に勤めるやり手のキャリアウーマン・志村栄利子(30歳)。実家から早朝出勤をし、日々ハードな仕事に勤しむ彼女の密やかな楽しみは、同い年の人気主婦ブログ『おひょうのダメ奥さん日記』を読むこと。決して焦らない「おひょう」独特の価値観と切り口で記される文章に、栄利子は癒されるのだ。その「おひょう」こと丸尾翔子は、スーパーの店長の夫と二人で気ままに暮らしているが、実は家族を捨て出て行った母親と、実家で傲慢なほど「自分からは何もしない」でいる父親について深い屈託を抱えていた。
偶然にも近所に住んでいた栄利子と翔子はある日カフェで出会う。同性の友達がいないという共通のコンプレックスもあって、二人は急速に親しくなってゆく。ブロガーと愛読者……そこから理想の友人関係が始まるように互いに思えたが、翔子が数日間ブログの更新をしなかったことが原因で、二人の関係は思わぬ方向へ進んでゆく。次第にエスカレートする執着と、一方的過ぎる考えと行動の強要――とても友情とは呼べない関係に二人が陥ってしまったのは、二人が出会ってはいけない同士だったからなのか……。
「ナイルパーチ」とはスズキ目アカメ科アカメ属の淡水魚。淡白な味の食用魚だが、他の種を食べ尽くし、生態系を破壊するほどの凶暴性を持っている。「ナイルパーチ」だったのは栄利子、それとも翔子? 「女友達がほしい」という、ただ一つの欲望が共通したことで起こる修羅場と悲劇、その破綻から再生の予兆までを描き切った長編傑作小説。

書評・インタビュー

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担当編集者より
淡白な味でさまざまな料理に使われる食用魚「ナイルパーチ」は、実は他の種を食べ尽くし、生態系を破壊するほどの凶暴性を持つ。偶然出会った二人の女性のどちらかが、もしナイルパーチのような凶暴な友情を持っていたとしたら……。その凶暴性を自分で抑えることができないとしたら……。友達がいることのありがたさと恐怖、そのことを徹底的に描きます。

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