作品紹介

切迫した仕事があるさなか、唐突に死んだ祖母と来たことがある温泉を五〇年ぶりに再訪した男。温泉に浸かった男は、その濃厚な硫黄のにおいに、清姫から逃れようとして焼き殺された安珍の伝説を思い出した――(「月岡」)。
秋田(「千秋」)、鹿児島(「指宿」)、京都(「化野」)、さまざまな場所に赴く主人公にまとわりつく官能と死、そして不在の気配。妻と別居中の男には「東京の恋人」がいるが、男が関係を持ったのは旅先で出会ったわけありの女だった(「八橋」)。そして最後に邂逅した老女にも少女にも見えた「綺麗な女」とは、いったい誰だったのか。
「会えないこと」で増幅する、さまざまな記憶と啓示に満ちた連作短編集。

担当編集者より
藤沢周氏待望の新作は、日本の様々な場所を漂泊する作家と思しき男が主人公。官能と朧な死の気配をまといながら旅をする彼が、その道行の果てに見たものとは? 「会う」のではなく「会えないこと」で増幅する、さまざまな記憶と啓示に満ちた連作短編集です。

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