作品紹介

ある北関東の小さな集落で、家々の壁に描かれた、子供の落書きのような奇妙な絵。
その、決して上手ではないが、鮮やかで力強い絵を描き続けている寡黙な男、
伊苅(いかり)に、ノンフィクションライターの「私」は取材を試みるが……。
彼はなぜ、笑われても笑われても、絵を描き続けるのか?

寂れかけた地方の集落を舞台に、孤独な男の半生と隠された真実が、
抑制された硬質な語り口で、伏せたカードをめくるように明らかにされていく。
ラストには、言いようのない衝撃と感動が待ち受ける傑作長篇。

担当編集者より
とにかく、黙って全部読んで下さいとしか言えません。説明しようとすると、全部ネタバレになってしまいます。驚愕のラストとか、感動の結末とか、そういうものを超えた何か大きなものが、読み終えた人の心にはずっしりと残るはずです。貫井さんの語りの魔術に幻惑され、打ちのめされて下さい。恐るべき傑作です。

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