作品紹介

天井裏に自分だけの覗き部屋を作ったモーテル経営者、30年の奇妙な記録

1980年のはじめ、著者のもとに一人の男から奇妙な手紙が届く。
男の名はジェラルド・フース。コロラド州デンヴァーでモーテルを経営しており、複数の部屋の天井に自ら通風孔と見せかけた穴を開け、秘かに利用者たちの姿を観察して日記にまとめていると言う。
男を訪ねた著者が屋根裏へと案内され、光の洩れる穴から目撃したのは、全裸の魅力的なカップルがベッドでオーラルセックスにはげむ姿だった――。
ヴェトナム戦争で傷ついた兵士とその妻の行為から、不倫や同性愛、グループセックス、さらには麻薬取り引きの絡んだ殺人事件まで、三十年に及ぶ記録からはアメリカの世相、性意識の変化が見えてくる。


目次

1 男からの手紙、そして出会い
2 十九世紀の覗き魔について書かれた本
3 見せかけだけの通風孔と屋根裏ツアー
4 『覗き魔の日記』の束
5 観察対象第一号 外見、行動、結論
6 グループセックスと、レズビアン教師
7 傷ついたヴェトナム戦争帰還兵とその妻
8 これこそがリアルな市井の人々
9 覗き魔を苛立たせる宿泊客たち
10 行為のさいに明かりを消すかどうか
11 自宅まで中年女性を尾行して
12 なぜ部屋から羊の声が……
13 夜な夜な、叔母の部屋を覗いていた
14 少年時代、覗き魔が育った町
15 花形チアリーダーの彼女と別れた理由
16 海軍時代、売春宿で童貞を卒業
17 利用客を被験者にしたテスト
18 性欲レベルが異なる夫婦
19 一度だけ覗き穴が露見しかけて
20 かなり活発なカップル=十二パーセント
21 覗き魔を大いに喜ばせた男と女
22 女性のマスターベーションの動機
23 あらゆる男は覗き魔である
24 夫婦交換がうまくいかない場合
25 観察の耐えがたい近親相姦
26 殺人事件を目撃した夜
27 どんどん人間ぎらいになる
28 浮気、離婚、新しい伴侶との邂逅
29 モーテルを売却して引退へ
30 懐かしの街、オーロラ
31 ついに日記の公表を決意
32 覗き魔の蒐集品
33 覗き魔の告白
34 通風孔ごしの人生を過ごして半世紀
35 モーテルの解体

著者のノート
訳者付記

解説 信頼できない語り手 青山南

書評・インタビュー

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担当編集者より
モーテル経営の男からの手紙がきっかけで、30年にも及ぶ屋根裏からの観察日記を手にしたゲイ・タリーズ。アメリカ・ニュージャーナリズムの旗手と言われた著者ももう84歳となりました。
2016年4月、雑誌「ニューヨーカー」に本書の抜粋原稿が掲載されて話題を呼び、7月に発売される直前、「ワシントン・ポスト」に「事実に間違いがある」と指摘され、11月、サム・メンデス監督による撮影が決まっていた映画化権をドリームワークスが手放した――話題の書がついに登場です。

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