作品紹介

2018年のNHK大河ドラマ「せごどん」の主人公、日本でいちばん親しまれている偉人、と言っても過言ではない西郷隆盛。その大人物然とした我々の知る風貌は、しかし、実は死後にイタリア人画家キヨッソーネが、親族を参考に想像で描いた「肖像画」なのだ(本書カバービジャル)。実は西郷隆盛には、この肖像画のイメージに似合わぬ、意外なほど激情家の一面を持ち、主君との衝突、心中未遂、過酷な島への流罪、抜擢と左遷の繰り返し、といった波乱万丈の前半生を送っている。
そして、どう考えても時代に逆行した「西南戦争」の指揮者としての最期。彼は何故ここに至ったのか。それは果たして西郷の理想とした生き方だったのか。
さらに、その軍神・西郷が何故「浴衣姿で犬を連れて」上野公園に復活するのか?
我々歴史を愛する者は、その大づかみなイメージに満足せず、人目を引くトピックスだけに目を向けず、彼の生涯を詳細にたどることで、その魅力の「謎」の本質に迫りたいと考える。そこで西郷の生涯を「101の謎」に分け、それぞれ見開き2ページ~4ページでコンパクトに答える形式とした。
西郷ならよく知っている、そんなに謎があるはずがない・・・、そう考える歴史好きこそ、本書を手に取ってほしい。よく知られたエピソードの中にも、詳細に見れば「何故、この人は、敢えてこの道を選ぶ?」という疑問が沸いてくる。
文春文庫が世に問う以上「この一冊で西郷のすべてが分かる」ことをお約束する、しかし、結局「西郷とは何者か」という最大の謎は、各自がみずから解き明かしていただくしかない。この本は特定の「価値観」を前面に出すことはしないが、その材料を余すところなく提供している。西郷を考える前に、まずこの一冊を手に取ってほしい。

担当編集者より
来年のNHK大河ドラマの主人公・西郷隆盛。誰でも知っているようでいて、実はその生涯と業績は、簡単に一本の線では結びにくい「何故?」が満載の、不思議な人物です。
西郷ほど周囲から敬愛されながら「生命の危機」とも言える苦難を受け続けた男は、幕末維新にも珍しいといえます。そうした西郷の「信念」はどのように形成されていったのかを「101の謎」として詳細に探っていきます。歴史マニアも入門者も満足できる完全保存版の西郷本です。
目次
★第1章 西郷の「ルーツ&家族」をめぐる謎8
「西郷家は南朝の忠臣・菊池氏の子孫なのか?」「武術の道を断念した悲しい出来事とは何か?」など
★第2章 西郷と「島津斉彬」をめぐる謎10
「薩摩藩の藩士にはどんな区分があったのか?」「近思録崩れとは何か?」「毒婦・お由羅暗殺計画に西郷か加わっていた?」「西郷は天璋院の嫁入道具を調達したのか?」など
★第3章 西郷の「遠島&復活」をめぐる謎11
「なぜ西郷は月照と錦江湾へ入水したのか?」「西郷の二度目の赦免に奔走したのは誰か?」「禁門の変で西郷が会津藩を救援した理由とは?」
★第4章 西郷と「薩長同盟」をめぐる謎11
「龍馬が西郷に薩長同盟を説いた時期は?」「西郷が第二次長州征伐への出兵を拒否した訳とは?」「龍馬・中岡慎太郎暗殺の黒幕は西郷か?」など
★第5章 西郷と「戊辰戦争」をめぐる謎11
「西郷が就任した東征大総督参謀の職務は?」「駿府に来訪した幕臣・山岡鉄舟の使命は?」「なぜ上野へ西郷の銅像が建てられたのか?」など
★第6章 西郷と「明治六年の政変」をめぐる謎10
「西郷が招聘した医師・ウィリスの功績とは?」「新政府の太政大臣と卿、参議とは何か?」「明治六年の政変の推移は?」「西郷下野に追従した官僚、軍人とは?」など
★第7章 西郷と「女性」をめぐる謎10
「最初の妻・須賀はなぜ実家へ帰ったのか?」「京都の料亭の仲居・お寅との関係は?」「糸子が賢夫人と称えられる理由は?」「西郷に接近した新政府軍の女スパイは?」など
★第8章 西郷と「西南戦争勃発」をめぐる謎10
「江藤新平の佐賀の乱に呼応しなかった訳とは?」「警視庁による西郷暗殺計画が存在した?」「西郷軍が熊本鎮台を落とせなかった理由は?」など
★第9章 西郷と「西南戦争終焉」をめぐる謎10
「敵方を悩ませた西郷軍の抜刀突撃の実態は?」「古戦場でみつかる空中でぶつかった弾とは何か?」「軍資金調達用に発行された「西郷札」とは?」など
★第10章 西郷「伝説」をめぐる謎11
「西郷の肖像写真は存在しない?」「上野の銅像のモデルは西郷ではない?」「城山で自刃したのは影武者だったのか?」「陸奥宗光の下獄と西郷不死伝説との関係は?」など

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