担当編集者より

たとえば「雄呂血（おろち）」の二十分に及ぶ立ち回りで「剣戟王（けんげきおう）」の名をほしいままにし、また「無法松の一生」「王将」では、アクの強い性格俳優ぶりで映画ファンの目を釘付けにした＜阪妻＞。日本映画界希代の巨星、まさに「御大」と呼ぶほかない超スターの壮絶な役者人生を活写します。役者道を邁進する「純情」ぶりと花街での粋な「無頼」ぶりとの間にあるものとは……。映画界を熟知するばかりか、＜田村三兄弟＞の長兄・田村高廣氏の親友でもある著者ならではの筆が冴えわたる傑作評伝小説。撮影快調！乞御期待！（ＯＭ）