作品紹介

1831年、七月王政下のパリ。小説家バルザックのもとにカストリ侯爵夫人からファンレターが届く。同じ頃「危険思想」の集団サン・シモン主義者たちの捜査を進める警視総監代行アンリ・ジスケは公衆衛生学者パラン・デュ・シャトレにパリ郊外モンフォーコンの廃馬処理場で出会い、パリの食糧問題と衛生問題について滔々と語られる。モンフォーコンでは廃馬の内臓を餌に巨大化した鼠が出現しはじめていた。また同じ頃、サン・シモン主義をさらに推し進めた過激な社会主義者フーリエと信奉者たちは男女が完全に平等に、自己の欲望に忠実に生きる理想的共同体「ファランステール」建設を目論む。ある日、バルザックのところに美女サン・レアル侯爵夫人がたずねてきて『デヴォラン組』なる小説の三巻本をおいていく。著者は「オラース・ド・サン・トーバン」。バルザックが昔使っていたペンネームであるが、こんな本を書いた覚えはない。しかしやがてバルザックは何かに導かれるかのように第四巻『カリエールの死闘』の執筆を始めるのだった。ユートピア(ディストピア)小説でありエネルギー問題や地下王国を扱う元祖SFのような趣きもありバルザックの諸小説や「レ・ミゼラブル」を下敷きとするメタ・フィクションでもある複雑な味わいの傑作長篇。

書評・インタビュー

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担当編集者より
十九世紀フランスの専門家である鹿島茂氏。渾身の力が注がれた長篇小説には小説家バルザック、思想家フーリエなど実在の人物が登場するだけではなくジャヴェール警部やテナルディエなど『レ・ミゼラブル』中の人物も入り込んでいます。七月王政下のパリの地上ではきなくさい陰謀が渦巻き、地下には異常な”理想社会”がある。SF、メタフィクション要素十分、そして人間の崇高から卑小まで社会の全てを描き尽くそうとした小説家のなかの小説家、バルザックへの限りないオマージュとなっています。(KH)
商品情報
書名(カナ) モンフォーコンノネズミ
ページ数 528ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2014年05月25日
ISBN 978-4-16-390068-1
Cコード 0093

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