作品紹介

どこにも、逃げられないよ──。

長老との結婚を拒絶する女は舌を抜かれてしまう、という掟のある村で、ある少女が結婚相手として選ばれる「雀」。
ある日突然、武装集団によって、泥に囲まれた島に拉致された女子高生たちを描いた「泥」。
アイドルを目指す「夢の奴隷」である少女。彼女の「神様」の意外な姿とは?(「神様男」)。
管理所に収容された人々は「山羊の群れ」と呼ばれ、理不尽で過酷な労働に従事し、時に動物より躊躇なく殺される。死と紙一重の鐘突き番にさせられた少年の運命は?(「山羊の目は空を青く映すか」)……など。

時代や場所にかかわらず、人間社会に現れる、さまざまな抑圧と奴隷状態。
それは「かつて」の「遠い場所」ではなく、「いま」「ここ」で起きている。
あなたもすでに、現代というディストピアの奴隷なのかもしれない――。
様々な囚われの姿を容赦なく描いた七つの物語。
桐野夏生の想像力と感応力が炸裂した異色短編集。

解説は政治学者の白井聡。
カバーイラストは、かわいさと残酷性を併せ持った作風で物議を醸すLA在住の画家、Luke ChuehのRough Waters。

担当編集者より
今、時代のキーワードは、「奴隷」といっても過言ではありません。会社、バイト、家庭、学校……どこにでもある奴隷状況。公開中の『ブレードランナー』や『猿の惑星』でもレプリカントや人間、猿の奴隷状況が描かれています。今、あなたの隣に「奴隷」となった人がいるかもしれない。そんな事件や出来事をいくつも思い浮かべることができます。この異色短編集を読んで、自分が何かに囚われているのではないか、ぜひとも疑ってみてください。
商品情報
書名(カナ) ドレイショウセツ
ページ数 192ページ
判型・造本・装丁 文庫判
初版奥付日 2017年12月10日
ISBN 978-4-16-790972-7
Cコード 0193

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