著者について

阿部智里(あべ ちさと)

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞を受賞。14年同大学院文学研究科に進学。デビュー作『烏に単は似合わない』がコミックDAYSにて松崎夏未氏により漫画化。

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著者・阿部智里さんが語る

デビューから6年、八咫烏シリーズは累計で100万部突破です。

阿部 私は書くのが仕事ですから、この結果は売り手の方が頑張ってくださったおかげですし、お金を払わずともフリーで読めるものがこれだけ沢山ある時代に本を買ってくださった皆さんがいてこそです。心からお礼を申し上げます。ただ100万部といっても、シリーズ全体で文庫と単行本を合わせた数字です。まだまだ有頂天になってはいけないと肝に銘じています。

――『烏に単は似合わない』のコミカライズもいよいよ始まりますね。

阿部 随分前からお話は頂いていたのですが、私自身のこだわりが強かったせいで、実現までに時間がかかってしまいました。というのも、八咫烏シリーズのメディアミックスはデビュー以前からの悲願であるのと同時に、コミカライズについて私にはどうしても譲れない条件があったからです。それは「可能な限り原作者のイメージに近い漫画であるということ」「原作者のイメージと外れる部分があったとしても、この方の解釈ならばそれはそれで見てみたいと思える漫画家さんであるということ」のふたつです。この度、胸を張って読者の皆様に松崎夏未さんによるコミカライズ実現のご報告出来るのは本当に嬉しいことです。

 一方、漫画化に限らず、小説の世界を「画」として表現することは、とてもとても難しいことです。公式な映像が展開されることで、自分の中のイメージを否定されてしまうのではないかと不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、読書体験によって構築されたそれぞれのイメージに間違いなど存在しません。皆さんの中の八咫烏シリーズを大切にして頂きつつ、今回のコミカライズは「それはそれ」「これはこれ」として、新しい作品世界をお楽しみいただければと考えています。

――今後の創作活動については?

阿部 学校も一段落しましたので、これまでよりも執筆量が増やせるのではないかと思います。八咫烏シリーズの第二部に向けても、具体的な作品作りに向けて物語を構成中です。あまり皆さまをお待たせせずにスタートできるよう、精一杯がんばります。

(2018年春インタビュー)

著者近影