2018.09.22 インタビューほか

山岸凉子特別インタビュー 怜悧なまなざしで作品世界に切り込む! 読むたびに、新しく、胸に突き刺さる傑作集

門田恭子 (ライター)

『天人唐草 自選作品集』(山岸凉子 著)

『天人唐草 自選作品集』(山岸凉子 著)

 山岸凉子さんの作品は怖い。人が殺し合うわけでも、血を流し合うわけでもない。なのに読み終えると、得体の知れない恐怖がわきあがってくる。誰も救われず、幸せになれない結末に暗澹とすることもある。それは当然なのかもしれない。

「イヨウナモノに私は心惹かれる」と山岸さんはいう。

 知人から聞いた話、テレビのニュース、ふとした出来事。物語のヒントは日常の中にいっぱいある。でも、山岸さんのアンテナに引っかかるのは、現実からちょっとズレた、いびつなエピソードばかり。心温まるいい話より、エーッ、そんなことってあるの? それって普通じゃないよねという話が大好物だ。

「それを私は頭の引き出しに仕舞っておく。すぐには使えなくてもいい。あとになって、そうそうあの話、気になっていたのよねと引っ張り出して作品に利用する。さりげないワンシーンとして、ときには物語の骨格となるアイデアそのものとして」

 二十一歳でデビューしてから半世紀ものあいだ、山岸さんはそうやってセンセーショナルな作品を送り出してきた。



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