作品
半世紀過ごした米国からの帰国直前、妻則子が急逝し、朝堅は癌に冒され……。人々との邂逅を追憶しながら、生と死を観想する中編小説
民への使命感も権力への執着もなく天下を統一した足利尊氏。明確な意思を欠いたまま権力を極めた男の謎を解く、歴史群像劇。
長年、妻の浮気を疑い続けた夫は、ある日、それは誤解だったと気づくが、以後も夫婦の思いはすれ違い……。夫の苦悩と再生を描く物語
少女時代から陶芸家を志すカティアだが、恋人でもある師匠と決裂。日本は大阪に渡り、語学教師として悩みつつも新たな生を模索する。
交通事故に遭って意識不明の息子から、オンラインゲーム内でメッセージが⁉ 息子のため、父は仲間を集めてゲームで世界一を目指す!
旧知の先輩から届いた一通のメール。迫る彼の死を前に若き日の記憶が鮮明に蘇る。自らを生き切ったと語った名軍師KNとの邂逅を描く
小さな島で出会った少女「ウル」。彼女はまるで神話と日常を往来しているようだったーー。追憶と創作をめぐる五つの物語を収録。
ダンスに焦がれ、人生を懸けると決めた。昂る想いを胸に、夢を追った。実体験をもとに紡がれた、狂おしいほどに熱い日々の物語。
9.11、日韓WC、貧乏一人旅、サークル同期のあの子――青春の記憶はあらゆる所で飛び出して、あらぬ所へ誘いだす。連作短篇集。
2021年1月29日、北町貫多は芝公園の一隅に佇んでいた――22年2月に急逝した著者の、苛烈な“歿後弟子道”を記した三篇。
バンドが群雄割拠する1990年代の下北沢ライブシーン。若きミュージシャン「ゴータ」はプロデビューという夢に向かって邁進する。
デビュー小説『ギフテッド』で芥川賞候補に選ばれた鈴木涼美の第二作。AVの撮影現場と大邸宅での静かな暮らしを対置させた意欲作。
コロナ禍のベルリン。若き研究者のパトリックはツェランを愛読する中国系の男性に出会い、その詩の世界へ導かれる。注釈付き翻訳小説
原点回帰にして到達点。猫、犬、馬、人形など、異質な存在との交歓によって導かれるカタルシス、圧倒的な熱量をはらんだ作品集です。
幽霊の目撃証言が相次ぐ下北沢三号踏切。妻を亡くし傷心の記者・松田はここで若い女性が殺されたことを知り、真相に近づいて行く。
診療所を一代で総合病院にした父と、落ちこぼれだったが天才的な経営手腕を発揮する次男。大病院の栄華と躓き、家族の確執を描く。
妻の視点から稀代の歌人との暮らしぶりを描く表題作をはじめ、鎌倉、室町、江戸期に題材をとった女性が主人公の歴史小説5編を収録。
商人の家系に生まれた結子は、幼い頃からキモチワルイ状況をそのままにはできない。そんな彼女の「問題解決とその調達人生」を描く。
89歳の死の直前まで綴ったピュアな初恋の記憶、死後発見された「死への道程」など、戦後日本を体現した作家のラスト作品集。
主人公馬之助の魅力をご堪能ください。
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