作品
わが身は国の「捨石」か――若き将校は時代を動かす思想家の命をつけ狙う。二・二六事件を背景に展開する男と女の愛と憎しみの物語
三カラットのダイヤの指輪は次々と持主を変えて、九州、朝鮮、大阪、東京と華麗な流転を重ねる。かかわりあう人たちの運命の饗宴。時代の推移と欲望のドラマを描く十二の連作。
近衛兵の反乱に衝撃を受け、密偵を駆使して自由民権運動を弾圧し、軍人勅論を完成させて防壁を構築した内政家・山県有朋を描く長篇
下山事件、もく星号事件、昭電・造船疑獄、白鳥事件、ラストヴォロフ事件、接収ダイヤ問題、帝銀事件、鹿地亘事件、松川事件、追放とレッド・パージなど、占領下重大事件の内幕。
(上を参照)
終戦工作をめぐって「生」を奪われた外交官。戦後十六年、彼の娘の恋人で真相を追う記者の前に、殺人事件が……。清張推理の代表作
お互いの身の上も知らずに愛し合うようになった二人――しかし運命の皮肉は、二人の仲を打ち砕く。現代社会の悪の構造の中に、切ない恋を描き出した異色ロマン。(田村恭子)
隣村から土地を巡る争いを仕掛けられた村は公事に訴えんと京の権門の間を奔走する。敵の真の狙いは別にあり、復讐劇が幕を開ける
福岡市の香椎海岸で発見された男女の死体。汚職事件渦中のノン・キャリア官僚と愛人の心中だと誰もが思ったが。社会派推理の代表作
イエズス会の名宣教師から、キリシタン摘発の目明しに転向したフェレイラ。信じるとは? 救済とは? 人の心の根源に迫る野心作
没後十年。国民作家として愛され、今なお映像化される小説の数々。自在な着想の古代史、鮮やかな昭和史。ファン待望の総特集文庫化
戦後の日本を代表する作家、松本清張。その人間像と労作『昭和史発掘』誕生の舞台裏を、三十年にわたり担当した元編集者が語る
不世出の大戯作者の自作は『好色一代男』しかない? なぜか。真の作者は誰か。西鶴のかかえ持つ数々の謎を解く力作歴史ミステリ
一度はまたぎをやめた半蔵だったが、藩命を帯びて再び「穴もたず」の熊に立ち向かう。またぎとしての自尊心をかけた猟が始まった
天下りなどの人事問題に真っ正面から取り組んで、選考委員の激賞を浴びた松本清張賞受賞作ほかテレビドラマ化されたD県警シリーズ
昭和十四年四月。危険思想とされた「新興俳句」への弾圧を背景に、自由を求める女流俳人の愛と苦悩を描いた、本格社会派サスペンス
麻布の旧家に嫁いできた新妻が背負う宿命とは!? 家は隆盛を誇るが、その陰で多くの人が死んでゆく。“ホラー小説”の決定版登場
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