作品
無銘の古刀に偽銘を切り高値な刀剣に見せかける鏨師と、それを見破る鑑定家の闘いを描く直木賞受賞作など初期短篇集。「鏨師」「神楽師」「つんぼ」「狂言師」「狂言宗家」収録。(伊東昌輝)
島を彷徨う少女の魂に恋した少年、九十七歳の生年祝い=風車祭を迎えようとするオバァ、六本足の豚の繰り広げる壮大なファンタジー
他人を笑わせ、他人に笑われ、そのために死ぬほど絵草紙作者になりたいと願っている若旦那のありようを洒落のめした直木賞受賞作に加え、「江戸の夕立ち」を収録。(百目鬼恭三郎)
新宿――この街には何だってありだ。ヤクザ、オカマ……、その底辺に蠢く人間たちの熱い生を謳い上げた直木賞後初の力作中篇集!
選考の当日を忘れていた直木賞、その後の苦節の日々等、小説家の意外な素顔をのぞかせるエッセイ集。旅を楽しみ春秋の想いを綴る
子供のころのヒーローに二十六年ぶりに会ってみたら……。切なくほろ苦い大人の邂逅を描いた表題作他、現代を見事に活写する四篇
ガングロ、お受験殺人、雅子妃ご懐妊報道など腹立つことも多かったが、インターネットに料理教室とマリコのあくなき挑戦は続く!
十五年間絶縁状態だった兄が死んだ——。報せを聞いた弟の胸中によみがえる兄の破滅的な生涯を描いた、直木賞作家の記念碑的傑作
十三世紀、東南アジアを席捲する蒙古の若き将軍の命を狙うペルシャの幻術師の戦いの行方は……直木賞受賞前後の異色の初期短篇集
「私」はモツを串に刺し続けた。女の背中には迦陵頻迦の刺青があった……。救いのない人間の業と情念を見事な文章と技法で描く傑作
夏姫は天上の台に駆け上った。三人の男をはしごにして。しかしその膚肌の裡には底知れぬ淵があり夏姫は心烈しくその空虚に耐えた
三夫二君を死にいたらしめたとされる神話的美女・夏姫は真の悪女だったのか? 戦争と愛を雄渾な筆で描きだす歴史叙事詩の名品!
日本文化の最先端と伝統が同居する街・銀座。江戸、明治以来の老舗の職人たちを訪ね、その技能と人間像を直木賞作家が克明に描く
映画撮影のために集まった監督、カメラマン、プロデューサー、俳優たち。一番光り輝くのは誰なのか。待望の直木賞受賞後長篇第一作
滅びゆく職人の世界に身を置く男と、手広く事業を営むかつての恋人との再会が、悲劇的な結末へつき進む。直木賞受賞作家による、宿命の愛の行方を見すえた小説四篇。(小杉健治)
舞台は西暦二千年の沖縄。謎の将校、キャラダイン中佐は首里城を爆破して伝説の地霊レキオスを復活させ、米国本土に宣戦布告する
人生にトゲのように突き刺さり、今なお私を狂わせる記憶の数々。人間の生の無限の底に蠢く黒い情念を描き慄然とさせる七つの短篇
一瞬の、たった一度の失言が、全ての発端となった――。二十年後二人の男が、その出来事の決着をつける。実力派作家の待望の長篇
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