作品
維新後も龍馬の妻として生きたお龍。三味線を抱いて高杉普作の墓守を続けるうの。志士を愛した女たちの胸にくすぶる恋心の行く末
女優熊谷真実・美由紀を生み、松田優作の闘病を見守った女性。旧知の直木賞作家が愛情をこめて描く、笑いあり涙ありの傑作長篇!
同一タイトルに、気鋭の作家たちが挑む――。雑誌掲載時から話題を呼んだ本邦初の試み、六者六様の味わいを、とくとご賞味あれ!
伊勢屋忠兵衛からの度重なる申し出に心揺れるお文。一方、伊三次は頻発する幼女殺しに忙殺され、二人の心の隙間は広がってゆく……
催眠療法で前世の記憶を蘇らせてしまった男の恐怖を描く表題作など八篇。直木賞受賞の『緋い記憶』に続く本領発揮のシリーズ第二弾
「芋の根元に腕を一本埋めてくれ」大教団幹部の伯父が残した不可解な遺言。その真相は遠く異国にあった。現代の闇を描く幻想作品集
小藩に生きる若者たちが身分を越えて集まる私塾・観月舎。藩内の派閥争いが淡き恋、友や家族への思いに、軋みを生じさせてゆく…
四国の球場で目撃したのは突如、球界を去った名投手。元記者は謎を追って……。野球と女性への限りない憧憬を描く直木賞受賞作
大正初め、徳島のドイツ人俘虜収容所で例のない寛容な処遇がなされ、日本人市民と俘虜との交歓が実現した。所長こそサムライと称えられた会津人の生涯を描く直木賞受賞作。(山内昌之)
蒙古の船団九百艘、軍勢三万数千人が東松浦の浜に襲来、島民は皆殺しにされた。復讐に燃える佐志留は波立つ玄界灘に船を乗り出す
故郷の町の自動車エンジン工場からF1チームのメンバーに選ばれた男の充実した人生、そして三年間の出向を終えて帰郷後の脱力感を描く、第百十一回直木賞受賞作。(田辺聖子)
戯場国とは芝居の舞台のこと。劇場は芸能あるいは人間の、一つの大いなる聖域、国といえる。歌舞伎、能、演劇、陶芸、絵画に言及
直木賞受賞の傑作短編集をコミック化。女絵師、手習い師匠など、仕事と恋の間で揺れる女性たちを江戸情緒豊かに描く。全四篇収録
悪党者を取り締まる八州廻りの桑山十兵衛は男やもめ。各地で事件を解決するなか判明した、娘の真の父、亡き妻の意外な密通相手とは
二十年前に愛した男が自殺の際に演奏したバッハのカノン。その調べに乗って起きる不可解な出来事。恐怖をこらえて、瑞穂は謎に迫る
幻想小説の新地平を拓いた『緋い記憶』から三年。あの甘美な恐怖が甦る。催眠療法で生前の記憶を甦らせた男を描く表題作など八篇
女浄瑠璃、手習いの師匠、料理屋の女将など江戸の町を彩るキャリアウーマンたちの心模様を描く直木賞受賞作。「恋風」「男の八分」「後姿」「恋知らず」「恋忘れ草」他一篇収録。(藤田昌司)
古本と、古本をめぐる人々のすがたや如何に。文章が粒だち、目の前に立ち上がってくる! との絶賛とともに直木賞を受賞した著者の、摩訶不思議にして味わい深いエッセイ51本を収録。
大正天皇崩御、満州事変、芥川・直木賞制定、敗戦と復興、田中金脈問題……。総合雑誌「文藝春秋」とその僚誌を飾った時代の一級証言を精選、再編集して激動の昭和史を俯瞰する。
願いごとがこぼれずに叶う月か……。鬼監督と呼ばれた男が、引退の日、空を見上げていた。表題作ほか、選考委員の激賞を受けた「切子皿」など七篇。感動の直木賞受賞作。(長部日出雄)
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