作品
出羽の雪深き山里に赴任した青年は深い失意の日々を送るが、策略をかわし苦難に耐え、逞しい武士に変貌を遂げていく。感動と共感の直木賞作品。「厦門心中」「小姓町の噂」併録。(赤木駿介)
四国の球場で目撃したのは突如、球界を去った名投手。元記者は謎を追って……。野球と女性への限りない憧憬を描く直木賞受賞作
二十五歳から文筆生活に入って三十数年、地方に在住してひたすら歴史小説を書いてきた著者の初のエッセイ集。直木賞受賞作「海狼伝」が出来るまでの苦労話など興味ある話を満載。
思い出の家が見つからない。同窓会のため久しぶりに郷里を訪ねた主人公の隠された過去とは……。表題作等、もつれた記憶の糸が紡ぎ出す幻想の世界、七篇。直木賞受賞作!(川村湊)
大正初め徳島のドイツ人俘虜収容所では例のない寛容な処遇がなされた。所長こそサムライと称えられた会津人の生涯。直木賞受賞作
F1エンジンの組み立てのメンバーに選ばれて世界中を駆け回った男の栄光の日々と、解任後の失意の日々。第百十一回直木賞受賞作
黄金丸の船大将・笛太郎は、シャムを本拠地とする実父と宿命的な対決をする。海賊の生態を描いて、海洋時代小説の金字塔となった直木賞受賞作「海狼伝」の続篇。(縄田一男)
女浄瑠璃、女絵師、料理屋の女将など、江戸の町で、恋と仕事にひたすらに生きたキャリア・ウーマンの姿を鮮かに描く直木賞受賞作
“歌に生き恋に生き”た世界的に名を馳せたオペラ歌手藤原義江。英国人の貿易商を父に、下関の琵琶芸者を母に持った義江の波瀾の人生を描いた直木賞受賞作。(田辺聖子)
おとこ狂いの浄瑠璃語りにかなわぬ想いをよせる醜い船頭の哀切な物語。江戸情緒ゆたかな驚異の語り口で直木賞を受賞した表題作と、世話物語の佳品「憂世まんだら」を収める話題作!
派手好みの対馬藩の殿様は演能の席に、わざわざ朝鮮から氷塊を取り寄せるが、御船方にとっては命がけの航海となる……。直木賞受賞第一作の表題作を含む力作時代小説。(縄田一男)
初期士道小説名品の数々を網羅。直木賞受賞作「暗殺の年輪」をはじめ、この作家独自の藤沢調ともいうべき色彩は、ここにはじまる
永い監督生活の引退の日、ふと見上げた月に向かって祈った鐵次郎の願いとは。表題作以下七篇、さまざまな人生風景。直木賞受賞作
「男の人が倒れている」一一〇番通報の女の声には妙ななまりがあった——。裁判を通じて明らかにされる経済大国の底辺に生きる女たちの真摯な姿。感動の直木賞受賞作。(石和鷹)
羽州の山奥に山代官の下役として遣わされた祝靱負は失意の日を送るが、いつしか狼奉行と呼ばれる逞しい武士になる。直木賞受賞作
最後の木版浮世絵師といわれた光線画家・小林清親の波瀾に充ちた半生と江戸から明治に移りかわる風俗、庶民の生きざまをあざやかに描いた第百回直木賞受賞の長篇。(田辺聖子)
思い出の家が、見当たらない。故郷を訪ねた主人公の隠された過去が、次第に明らかにされていく――表題作など七篇。直木賞受賞作
ホテルで女主人の到着を待つ若い男女。その背後に潜むエゴイズム、孤独感を澄明な文体で彫琢、愛と性のかかわりをさぐり直木賞に輝く優品。「鳥、とんだ」「三月の兎」を併録。(植田康夫)
「夏姫春秋」で第一○五回直木賞を受けた気鋭の渾身の受賞第一作。春秋戦国の世、山西省を支配した趙一族四代の盛衰を描く歴史小説
アジアを舞台に展開する商魂と策謀、恋と冒険が渦巻く物語五篇。直木賞受賞作「炎熱商人」の著者が新境地を開く小説“最新東洋事情”
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