作品
BC級戦犯として処刑された男と甲子園を目指し投げ合った元巨人軍投手スタルヒンを描く表題作と「端島の女」の直木賞受賞作を含む作品集。「頭領と親友」「夜の運河」収録。(郷原宏)
滅びゆく職人の世界に身を置く男と、手広く事業を営むかつての恋人との再会が、悲劇的な結末へつき進む。直木賞受賞作家による、宿命の愛の行方を見すえた小説四篇。(小杉健治)
歌に生き恋に生き、世界的に名を馳せた藤原義江。英国人の貿易商を父に、琵琶芸者を母に持った義江の波瀾の人生。直木賞受賞作品
黄金丸の船大将・笛太郎は、シャムを本拠地とする実父のマゴーチと宿命的な対決をする。直木賞受賞作「海狼伝」の続篇にあたる
対馬で育った少年笛太郎が、史上名高い村上水軍の海賊集団に加わり、“海のウルフ”として成長していく青春を描きながら、海賊の生態を活写した直木賞受賞作。(尾崎秀樹)
世間に知らぬ者なき男狂いの浄瑠璃語り・竹本小伝に想いをよせる醜男の船頭。男の真情の滑稽と悲惨を描いた話題の直木賞受賞作品
世去れ節の大成功者、黒川桃太郎はなぜ貧困のうちに窮死したのか。直木賞受賞作「津軽世去れ節」「死者からのクイズ」「津軽じょんから節」「津軽十三蜆唄」「猫と泥鰌」「雪のなかの声」収録。
直木賞に不滅の名をとどめる直木三十五。その代名詞ともいうべき長篇「南国太平記」を始め、代表的短篇、随筆に年譜・解説を併載
百四十数点の絵を残し、わずか十カ月で消え去った写楽。蔦重、京伝、歌麿、蜀山人……天才異才総登場の天明寛政の江戸に写楽の正体を追い求める直木賞作家の野心作。(解説・白石一郎)
男と女――その愛と性のかかわりの背後にうごめくエゴイズムや孤独感、焦躁感を、澄明な文体でえがいた注目の女流の直木賞受賞作
七年ぶりに再会した男女の恋の駆け引きを描く表題作と、「京都まで」の直木賞受賞作品をふくむ充実の短篇集。「エンジェルのペン」「てるてる坊主」「ワイン」の五篇収録。(深田祐介)
演歌に情熱を燃やす音楽ディレクターの夢と挫折を女性作詞家の目で描く表題作と、旦那が来るのを待ち続ける老芸妓の心情を淡々と描く「老梅」との直木賞受賞作他二篇収録。(黒岩重吾)
ドサ回りの芸人たちがひっそりと肩を寄せあう“てんのじ村”。戦前、戦後をこの村で生きた漫才師、浪曲師、奇術師たちの生きざまをさわやかに描いた直木賞受賞作品。(黒岩重吾)
対馬で育った少年が、史上名高い村上水軍の海賊集団に加わり、“海のウルフ”に成長していく青春をえがいた直木賞受賞の海洋小説
偉人の事蹟収集に全力を注ぐ主人公。若くして「いかなる事情あるも他から経済的援助は受けぬ」と誓った直木賞受賞作「ナポレオン狂」のモデルの半生。著者初の長篇小説。(藤田昌司)
敗戦と同時に送りこまれたウランバートルの収容所は、厳寒と飢餓と暴力の坩堝だった。帰国を待たず異国の空に空しく散った戦友たちへの鎮魂の祈りをこめた直木賞受賞作。(尾崎秀樹)
「昔別れた女って、おいしそうにみえるのかな」大人の情事を冷めた目で捉えた表題作に「京都まで」の直木賞二作品を含む充実の短篇集
太平洋戦争の傷跡を色濃く残す炎熱地マニラを舞台に、国際ビジネス最前線で働く商社マンたちの誇りと情熱、愛と死、そして直面する現実を、壮大なスケールで描いた直木賞受賞作。
土佐の花街に生まれた著者が文章で身を立てることを熱望し、ついに「一絃の琴」で直木賞を受賞するまでを丹念に追い、父や母、芸妓や娼婦の思い出を愛情こめて綴ったエッセイ集。
世界大戦を起こさずにヨーロッパ地図を塗りかえる——このソ連の野望に西側諸国はどう対処するか? 東西ドイツ国境線の大爆発にはじまる直木賞受賞の国際政治小説。(野坂昭如)
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