作品
山師策士と呼ばれた謎の志士清河八郎の真実を描く「回天の門」に加え、討薩一筋に激しく生きた悲憤の人雲井龍雄を活写する「雲奔」
好評のシリーズ「獄医立花登手控え」最終作品に加え、はぐれ同心神谷玄次郎の捕物控「霧の果て」の他、異色の犯罪小説「闇の歯車」
江戸小伝馬町牢獄づめの立花登は医学のかたわら起倒流柔術をおさめる青年獄医。獄舎の内外の多彩な人間模様をえがく好評シリーズ
清痩鶴のごとし、と掉まれて逝った長塚節。その生のかがやきを清冽にえがく表題「白き瓶」と、初期名作「一茶」を収録する異色篇
癒せぬ過去をひきずる主人公・伊之助。板木彫り職人だが、かつては凄腕の岡っ引。江戸の町々の光と影をえがく名シリーズ全三篇!
十代家治の治世、徳川に遺恨をいだき暗躍する謎の徒党「八嶽党」をめぐる波瀾にみちた物語、他一篇。異彩はなつ伝奇小説二篇収載
よろずもめごと仲裁つかまつり候。旗本妾腹の祝福されざる冷や飯食い平四郎の稼業である。裏店人生の様々な光景を描く全二十四話!
江戸の橋。出会いと別れ。ひとびとの喜怒哀楽を紡ぐ場所である。表題の情趣ゆたかな初期代表作と「本所しぐれ町物語」など二作!
藩中一、二を競う遣い手同士の凄絶な果し合いを乾いた抒情で描きだす表題作はじめ、円熟期士道小説の中・短篇二十三篇をおさめる
関ヶ原合戦前夜、家康を挟撃せんと北国の雄・上杉と石田三成がむすんだ密約の行方を追う歴史小説雄篇。他一篇を収める歴史小説集
六年前、筆頭家老が暗殺されたが下手人は不明、刀傷から「馬の骨」なる秘太刀と判明した。その剣を伝授されたとされる剣客は誰か
名もない市井の人々の、日々の歓喜と悲哀を、キメ細やかに曇りない眼でとらえた明澄な人生絵図三十六篇。うち七篇は単行本未収録
北国の小藩・海坂、清流と小立に囲まれた組屋敷、一人の少年藩士が成長する姿を描く「蝉しぐれ」と、朋友相喰む熾烈な覇権劇「風の果て」
闇とほのかな光の中で語られる、愛憎と葛藤、独自の色彩でえがかれた人生絵図。「冬の潮」「暁のひかり」など初期市井小説三十篇
家督をゆずり隠居の身となった清左衛門の日記「残日録」。悔いと寂寥感にさいなまれつつ、なお命をいとおしみ、力尽くす男の残された日々の輝きを描き共感をよぶ連作長篇。(丸元淑生)
国を出奔し食いつめた青江又八郎は口入れ屋の周旋で用心棒稼業をはじめる。趣向ゆたかな剣客物語の名品、一部二部を一巻集成する
初期士道小説名品の数々を網羅。直木賞受賞作「暗殺の年輪」をはじめ、この作家独自の藤沢調ともいうべき色彩は、ここにはじまる
人物描出の巧み。清洌・多彩な筆に加えた一刷けのユーモア。剣客小説の金字塔というべき「隠し剣」に、「たそがれ清兵衛」を併録する
小説づくりの名工の手になる、ゆるがざる小説世界。これこそ人生通の大人の物語。愛惜さそう忘れがたい情趣のすべてがここにある
藩中一、二を競い合う剣の遣い手が、奇しき運命の縁に結ばれて対峙する。男の闘いを緊密な構成と乾いた抒情で描きだす表題名品の他三篇。この作家、円熟期えりぬきの秀作集である。
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