作品
近衛兵の反乱に衝撃を受け、密偵を駆使して自由民権運動を弾圧し、軍人勅論を完成させて防壁を構築した内政家・山県有朋を描く長篇
下山事件、もく星号事件、昭電・造船疑獄、白鳥事件、ラストヴォロフ事件、接収ダイヤ問題、帝銀事件、鹿地亘事件、松川事件、追放とレッド・パージなど、占領下重大事件の内幕。
(上を参照)
終戦工作をめぐって「生」を奪われた外交官。戦後十六年、彼の娘の恋人で真相を追う記者の前に、殺人事件が……。清張推理の代表作
お互いの身の上も知らずに愛し合うようになった二人――しかし運命の皮肉は、二人の仲を打ち砕く。現代社会の悪の構造の中に、切ない恋を描き出した異色ロマン。(田村恭子)
福岡市の香椎海岸で発見された男女の死体。汚職事件渦中のノン・キャリア官僚と愛人の心中だと誰もが思ったが。社会派推理の代表作
逍遙の死と妻を巡る異説。紅葉=鏡花師弟の確執。密かに一葉を想う緑雨の孤高。明治文壇の強烈な個性の栄光と悲惨を描く連作小説
昭和八年、「月辰会研究所」から出てきた女官が自殺した。特高係長は謎を追うが——。満洲と日本を舞台に描いた未完の大作千七百枚
官途に精励し軍医総監まで昇りつめた鴎外。飽くなき創作意欲で文豪の名を恣にする鴎外。敬愛しつづけた明治の文豪の二つの像を独自の視座から照射する著者最後の評伝。(桶谷秀昭)
昭和八年、「月辰会研究所」から出てきた女官が自殺した。特高係長は謎を追うが――。満洲と日本を舞台に描いた未完の大作千七百枚
罪を犯し、人別帳から除外された無宿者。自由を渇望する男達の逃亡と復讐を鮮やかに描いた連作時代短篇。「町の島帰り」「海嘯」「おのれの顔」「逃亡」「左の腕」他五篇収録。(中島誠)
老西園寺公の晩景を描く表題作、不遇の少年時代を回想する「泥炭地」等、晩年の短篇を精選。巻末に年譜・著作目録。解説・秋山駿
作家の生活と創作の秘密を公開しつつ“日記体の文学”へと昇華させた表題作ほか、晩年の内面を窺わせる随筆を精選。解説・佐原真
軍医総監と文豪。鴎外の二つの像を独自の視座から描いて遺作となった表題作に、「暗い血の旋舞」「形影」を併録。解説・沼野充義
国際駅伝に賭ける男と復讐を誓う女が交錯する「詩城の旅びと」。エイズが蔓延する近未来を描いた「赤い氷河期」。解説・菅野昭正
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