インタビュー・対談

「Dear KAZU」誕生の瞬間

『Dear KAZU 僕を育てた55通の手紙』
(三浦知良 著)

聞き手: 藤森 三奈 (文藝春秋ノンフィクション局)
「Dear KAZU」誕生の瞬間

 2002年12月。新神戸発東京行き、最終の新幹線のぞみ車内。

関根正敏 ― 三浦知良のマネージャー
藤森三奈 ―『スポーツ・グラフィック ナンバー』編集者
 

 ぎりぎり最終に乗れましたね。

 今日のカズの取材もうまくいってよかった。原稿よろしくね。
 ところでナンバーが最近取り上げるのは、若い選手ばっかりじゃない? 新し物好きなのは、若い編集者なの?
 俺はナンバーのそういうところが嫌いなんだよ。

 ……すみません。

 ベテランだってちゃんと生きてるんだ。そういうところを扱って欲しい。

 分かってます。

 新しい雑誌の「スポーツ・ヤア!」からもカズの連載企画の提案がきてるよ。どうする?

 いや、うちでやらせてください。

 俺だって、ナンバーが一番だと思っているよ。やるんだったらナンバーだよね、やっぱり。

 対談なんてどうですか?

 対談は、褒めあって終わりでしょう? つまらないよ。

 そうですね、何がいいかな……。

 手紙の交換はどう? 往復書簡。カズがこれまで関わってきた人から手紙をもらう。それにカズが答える。

 いいですね~。それだ!

 手紙なら本心が書けるでしょ。昔は嫌いだったけど、今は好き、とか。まだやってるのか、早くやめてくれ、とか。

 確かに。本音が聞けそう。引退してからはよくある企画ですけど、現役中にやるというのはすごく価値がありますね。

 そう、引退してからじゃ遅いよ。同時進行なのがいいんだ。

 メールじゃなくて手紙ですよね。

 温かさは手紙のほうが伝わるでしょう。世の中の流れと逆行したほうがいい。カズだってアナログな人だし。

 どんな人から手紙もらえますかね。

 イタリアで言ったら、バッジョとかバレージ、ブラジルだったらペレからももらえるかもしれない。それから監督。横山さん、加茂さん、トルシエ……。あとは、プライベートの付き合いの人も入れたら? ブラジルでいつも髪を切ってくれていたおばちゃんや、京都のクリーニング屋のおばちゃんとか。

 それはカズさんの人間関係の幅が出ていいですね。

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Dear KAZU
三浦知良・著

定価:1260円(税込) 発売日:2011年12月09日

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