2014.02.24 文春写真館

クラシック音楽の大衆化に貢献した山本直純

文・写真: 「文藝春秋」写真資料部

クラシック音楽の大衆化に貢献した山本直純

 口髭と黒縁メガネがトレードマークの音楽家、山本直純は昭和七年(一九三二年)生まれ。父は作曲家・指揮者の山本直忠。幼くして音楽の英才教育を受け、高校時代は斎藤秀雄に指揮法を学ぶ。同時期の斎藤門下生に小澤征爾がいた。

 東京芸術大学作曲科に入学。一学年上で打楽器科にいた岩城宏之と知り合い、生涯無二の親友となる。二人は指揮をしたい一心で学生オーケストラを結成。山本は念願の指揮科に転じる。

 しかし、眼病にかかり、視力が低下。楽譜の読み込みに困難を覚えるようになり、オーケストラの指揮に不安が生じた。大学卒業後は、テレビや映画で幅広く活動を行う。「オーケストラがやって来た」(TBS)を企画し、自ら出演、タレントとしての才能を発揮するなど、一般大衆へのクラシック音楽の普及に大いに貢献した。

 饒舌でユーモアにあふれた話しぶりは定評があった。

〈指揮者はいいもんです。楽隊のクラリネット吹きだかが、なにかのとき、棒を振ることになった。振ってみると意外にやさしい。で、長老の指揮者に「簡単じゃないですか」といったら、長老いわく「そうだ、しかし、他人に言うなよ」〉(「オール讀物」平成元年=一九八九年三月号より)

 写真はこのとき撮影。

 映画「男はつらいよ」のテーマ曲やTBSラジオの「小沢昭一の小沢昭一的こころ」の音楽を担当し、長く親しまれた。また、シンプルで明快なCMソングも数多く手掛け、エールチョコレート(森永)のCM「大きいことはいいことだ」のフレーズは流行語となり、日本船舶振興会のCM「火の用心のうた」もひろく受け入れられた。

 平成十四年、急性心不全のため亡くなる。

画像貸出しについて
文藝春秋写真資料部は、テレビ、新聞、雑誌をはじめさまざまなメディアのニーズに迅速にお応えできるよう貸出しの体制を整えております。デジタル化された写真データは、現在約25万点。「文藝春秋」の「日本の顔」はじめ数々の企画もの、「週刊文春」のスクープ写真、「Number」のスポーツシーン、「CREA」や「CREA TRAVELLER」の国内外の自然の風景、さらには戦前の人物や行事を取り上げた資料的価値の高い貴重な写真もとりそろえております。
詳しいお問い合わせはこちらまで
(株)文藝春秋 写真資料部  電話:03-3288-6122 FAX:03-5276-7004