- 2014.02.21
- 書評
できれば、30代で読みたかった!
文:大桃 美代子 (タレント)
『“48歳、彼氏ナシ”私でも嫁に行けた! オトナ婚をつかみとる50の法則』 (衿野未矢 著)
ジャンル :
#ノンフィクション
なんと挑戦的なタイトルなんだ! アラフォーやアラフィーをイラッとさせる目を引く言葉。気になるけど手に取りにくい。新幹線で移動中に読ませていただいたが、気が付くと、ニヤニヤしたり、くすっとしたり、頷いたり。他人が見たら不気味に思うだろうと、マスクをして読んだ。
世の中に独身女性は沢山いる。作者もその一人。東京でノンフィクション作家として、本も何冊も出している、当時40代後半のキャリアウーマンだ。バブルを謳歌し、マンションも買って、一見、何不自由ない生活なのに、誕生日などのアニバーサリーにこだわりを持っている。
独り身は自由と裏腹に孤独も併せ持つ。
自立したキャリア女性は、いつも目をキラキラさせ、好奇心旺盛で若くも見える。自分の趣味に時間とお金を思うままに使うことも許されている。欲しいものを、自分へのご褒美として誰に気兼ねなく購入もできる。しかし、自由の裏にある「孤独」は記念日に顔を出す。誕生日、クリスマス、お盆、お正月。家族がいることが前提とされる日は、夫も子どももいない独り身を意識する。
本書の冒頭で、友人と楽しく過ごした誕生日に「本当は大切な人と2人きりで過ごしたかった」とため息をつくシーンがある。「分かるわー」と思った瞬間、私は本書に感情移入していた。
初めての作家さんのエッセイを読む時は、作者がどんな背景を持ち、どんな考え方なのか探りながら読み進めるのだけれど、等身大で素直に書いていこうという気持ちが感じられて、とても好感が持てた。きっと食事会で知り合っていたら連絡先を交換してしまいそうなタイプの女性。
作者は47歳の誕生日に誓う。「来年の誕生日は、大切な人と迎えたい」と。そして、友人の紹介という名のお見合いや食事会もチャレンジ精神で挑んでいき、貪欲に未来の生活を求め始める。 「出会い」は求めないと生まれない! 勇気を出してめげない心を作りながら、とさらりと書いてあるが、真似しようとしてもなかなかできることではない。なぜなら、自分が男性の恋愛対象では無い年齢だと実感する時のショックを考えるから。プライドはズタズタにされ、老いの恐怖が現れる……。
先日、同世代のマスコミ業界の人と食事会という名の「紹介」があったが、感動も、発展も連絡もなく、寂しい思いをした。お会計の際の「割り勘」にもがっかり。極め付けは、タクシーに乗る瞬間の「いい子がいたら紹介してよ」の一言。結局、私の後輩狙いか。私は対象外か……。同世代の独身男性はほとんどこんな感じだ。
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