2011.10.03 文春写真館

ギネス記録を持つ“元祖・国民作家”山岡荘八

文・写真: 「文藝春秋」写真資料部

ギネス記録を持つ“元祖・国民作家”山岡荘八

 NHK大河ドラマの原作ともなった「徳川家康」は、文庫本で全二十六巻、原稿用紙にして一万七千四百枚に及び、ギネスブックでも「世界最長の小説」のひとつに認定されている超大作だ。新聞連載は昭和二十五年(一九五〇年)にはじまり、昭和四十二年に完結。織田・今川の「両超大国」の狭間の弱小国に生まれながら、辛苦の末に戦争のない社会を実現する「平和の創造者」としての家康、これこそ戦後における「理想の日本像」そのものであり、当時の日本国民に熱狂的に受け入れられたのも当然だろう。

 明治四十年(一九〇七年)、新潟県北魚沼郡生まれ。本名は山内庄蔵、のちに妻の藤野姓を継いだ。印刷所の文選工などを経て雑誌編集者となり、昭和十七年より従軍記者として活動。多くの特攻隊員を取材した経験が、のちの諸作品を貫く思想的背景になった。

 写真は昭和三十六年、「徳川家康」連載中の頃。その後も「織田信長」「坂本龍馬」「源頼朝」「吉田松陰」「高杉晋作」「伊達政宗」と、日本史の偉人を真正面から取り上げた長編小説を数多く発表し、「日本国のあるべき姿」を描き続けた。

 保守系の政治家・文化人とも多く付き合った。昭和四十九年「日本を守る会」(「日本会議」の前身)の結成メンバーとなり、自衛隊友の会会長も勤める。昭和五十三年、七十一歳で没。

 なお、民主党衆議院議員の山岡賢次氏は、娘婿である。荘八の没後に養子縁組し、「山岡」に改姓している。

画像貸出しについて
文藝春秋写真資料部は、テレビ、新聞、雑誌をはじめさまざまなメディアのニーズに迅速にお応えできるよう貸出しの体制を整えております。デジタル化された写真データは、現在約25万点。「文藝春秋」の「日本の顔」はじめ数々の企画もの、「週刊文春」のスクープ写真、「Number」のスポーツシーン、「CREA」や「CREA TRAVELLER」の国内外の自然の風景、さらには戦前の人物や行事を取り上げた資料的価値の高い貴重な写真もとりそろえております。
詳しいお問い合わせはこちらまで
(株)文藝春秋 写真資料部  電話:03-3288-6122 FAX:03-5276-7004