『幻肢』

島田荘司

定価:本体800円+税 判型:新書判

お知らせ

命にもひとしい大切な存在が失われた時、彼女に訪れた奇跡とは?

医大生・糸永遥は交通事故で大怪我をし、一過性の全健忘により記憶を失った。
治療の結果、記憶は回復していくが、事故当時の状況だけがどうしても思い出せない。
不安と焦燥で鬱病を発症し、自殺未遂を起こした遥は、治療のためのTMSを受けるが、
治療直後から恋人・雅人の幻を見るようになり……。
映画版とは男女が逆転したオリジナル・ストーリー。

ストーリーを読み解くキーワード

【幻肢とは】

不慮の事故で自分の手足を失った時、四肢の喪失のショックが自我の崩壊に向かうのを防ぐため、脳が防衛機能を発揮し、手や足の幻をみせて精神の安定をはかろうとすること。

【TMSとは?】

脳の左側前頭部に磁気刺激を与え、脳の活動を活性化する治療法。うつ病の患者に効果が実証されている。米国では精神医学会も推奨してる治療法のひとつ。

登場人物紹介

糸永遥

吉祥寺医科大に通う医学生。成績優秀で、将来は医者なりたいと考えていた。青森でりんご園を営む両親と、農大に通う弟がいる。

神原雅人

遥の交際相手。遥と同じ吉祥寺医科大に通い、「幻肢現象」について研究していた。事故の際、遥のそばにいた……?

佐々木彩

遥、雅人の同級生で、外科志望ながら遥とは入学以来の親友だった。記憶を失い苦しむ遥を懸命に支える。

宮沢教授

吉祥寺医科大で神経学を教える。遥、雅人、ともに講義を受講していた。雅人の「幻肢現象」研究の指導教授。

川端教授

吉祥寺医科大放射線科で働く医師。宮沢教授とともに遥の回復に力を貸す。

9月27日(土)より K’s cinemaほか全国順次公開

吉木遼/谷村美月/遠藤雄弥/宮川一朗太/佐野史郎
監督:藤井道人 配給・宣伝:ディーライツ

進化し続ける作家 島田荘司

<最新作について>

旺盛な執筆活動は留まることを知らず、その活躍は国境を越えアジア、また欧米へと拡大を遂げつつある。2014年1月にはデビュー作『占星術殺人事件』が英・有力紙『ガーディアン』の“The top 10 locked-room mysteries(密室ミステリトップ10)”第2位にランクインされるという快挙も成し遂げた。

そんな島田荘司が長年温めてきたテーマ「幻肢」をモチーフに書き上げた新作長編。 若き監督・藤井道人とアイデアを出し合いながら映画『幻肢』を仕上げたのちに一気呵成に書き上げた原稿用紙750枚に及ぶ物語は、映画版とは男女を入れ替えた<実験作>でもある。

常に挑戦し、進化し続ける作家の最新形をお楽しみください――。

島田荘司

1948年、広島県生まれ。武蔵野美術大学卒業。1981年に『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たす。 以後、御手洗潔シリーズや吉敷竹史シリーズで本格ミステリの旗手となる。 また、「島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や、台湾・皇冠文化出版有限公司が主催する中国語によるミステリー新人賞「島田荘司推理小説賞」の選考委員をつとめるなど、後進の育成にも尽力している。