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中国食品を見破れ

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中国産から身を守るためのQ&A

  • なぜ中国産が多く輸入されているのか?
  •  我が国の食料自給率は、2011年度のカロリーベース換算で、わずか39%しかない。これは世界的に見ても極めて低レベルの数字だ。
     アメリカ(130%)はもちろん、ヨーロッパで自給率の低いイギリス(65%)やスイス(56%)をも下回っている(海外データはいずれも2009年のもの)。
     食料の6割を海外からの輸入に頼っている以上、隣りの中国で生産された食品なくして、今や日常の食生活が成り立たなくなっている。中国から輸入している食料は年間約400万トンにものぼり、アメリカに次ぐ輸入量なのだ。
     また中国産が多く輸入されている理由の1つが、コストである。たとえばにんにくの場合、国産が1個200円ほどなのに対して、中国産は3個で100円程度。近年、冷凍食品など加工食品を中国から輸入することが増えているが、中国で完成品を生産して輸入したほうが、人件費などが安く済むからだ。
     外食産業を中心に、デフレ経済に対応するために、中国産食品の使用が増えてきたのが実態である。

  • 日本で中国産による被害が出た事例は?
  • なぜ中国産から、残留農薬や有害物質が検出されるのか?
  • 有害物質は我々の体にどんな悪影響を及ぼすのか?
  • 中国産でもきちんと検査されていれば、心配ないか?
  •  輸入食品への検査には、国が行なう「モニタリング検査」と民間の検査機関が行なう「命令検査」「自主検査」がある。
     しかし、検査されるのは全輸入量のうちの1割ほどに過ぎない(中国産の検査率は平均より高い18%)。検査で違反事例が発見されても、残りはすでに流通し、消費されていることが多い。違反件数を見ると、中国は278件と1位だ(2011年度。次いでアメリカ、ベトナム、タイ、イタリア)。
     日本の食品メーカーなどは、「現地でも厳しい検査を行なっている」と主張するが、実際には中国側に検査を丸投げしているケースも多いという。
    「日本の農水省が認可した工場で最終工程の加工、検査がなされていても、一次、二次工程が不衛生なら何の意味もない。安全と言えるのは、全ての工程において日本人が携わっている企業のみです。しかし、そのような体制をきちんと取っているのは、1割程度しかないでしょう」(中国の農業に詳しい愛知大学現代中国学部の高橋五郎教授)

  • ラベルの原産地表示で、中国産が使われているかを見破れるか?
  • スーパーで売られている食材で中国産が多いのは?
  • プライベートブランドに中国産は使われている?
  • 中国食材はどのように調理すれば安心か?
  • コンビニのおにぎりも中国産の食材は使われている?
  •  コンビニで買う食品といえば、何と言ってもおにぎりが代表格だろう。
     2008年、名古屋のメーカーが、農薬で汚染された中国産もち米約570トンを食用として販売し、コンビニや大手スーパーのおにぎりやおこわに使用される事件が発生した。
     現在では、前述したように米トレーサビリティ法で、米の原産地情報を消費者に提供することになっているが、梅干しなどの具材に中国産を使用していることも多い。
    「実は意外と使われているのが、中国産の海苔です」(椎名氏)
     海苔商社関係者が実態を明かす。
    「中国でも海苔の養殖が行なわれていますが、海苔1枚を作るのに真水が1.3リットル必要で、日本の海苔製造者は1日に5.2トンの水を使っています。
     しかし、中国では全域で上水道が不足しており、用水路などの水を使って海苔を作っているのです。そうした水は農薬などの有害物質が含まれることもあり、非常に危険です」
     コンビニでおにぎりを買う時は、「有明産海苔使用」などの産地表示を確認して、国産海苔を使った商品を選ぶのが賢明だ。

  • コンビニの店頭に並ぶ鶏の唐揚げや焼鳥は国産?
  • ファミリーレストランや居酒屋で多い中国産食材は?
  • 食品添加物は中国から輸入しているのか?

大反響を呼んだ『週刊文春』の「中国食品告発キャンペーン」記事を担当した徳山大樹をキャップとするチーム。中国にまで飛んで現地の農村や工場などを取材。国内では、スーパーの店頭で商品を一つひとつ手にとり、裏面ラベルの原産地表示を調べ続けた。今回の書籍化にあたり、外食チェーンへのアンケート調査では、対象企業を大幅に拡大。その結果をもとに取材班は体を張り、店で中国産使用メニューを食べ続けた。