2021 佐伯泰英 刊行プロジェクト

「居眠り磐音」と私の十九年にわたる長い旅路

いま、「居眠り磐音」を振り返りて

『武士の賦』あとがき

居眠り磐音ついに完結!

お知らせ

2021.07.07
2021 佐伯泰英 刊行プロジェクト 第三弾発表!
2021.07.06
前人未踏の直筆サイン入り認定証3361枚が遂に完成!
2021.05.13
「居眠り磐音 決定版」51巻完結記念 読者プレゼント 予想を超える驚異の応募数発表!!
2021.03.09
『意次ノ妄』『竹屋ノ渡』『旅立ノ朝』が発売されます
2021.01.04
佐伯泰英作品 4月6日電子化スタート! 初回は123タイトルを一挙配信
2021.01.04
「居眠り磐音」と私の十九年にわたる長い旅路を公開しました
2020.01.30
「応募者全員プレゼント 磐音と小籐次から年賀状」をお申込みいただいた方へ 追加のお楽しみ情報!
2019.10.09
<応募者全員プレゼント>磐音と小籐次から令和初の「年賀状」が届く! キャンペーン実施中
2019.10.09
映画「居眠り磐音」特別版DVD読者プレゼントのお知らせ
2019.08.06
<特別著者インタビュー> 「いま、「居眠り磐音」を振り返りて」を公開しました
2019.04.10
映画「居眠り磐音」公開記念 読者プレゼント実施中
2019.04.10
「『武士の賦』あとがき」を公開しました
2019.02.08
「決定版刊行に際して」を公開しました
2019.01.10
「居眠り磐音」によせてを公開しました
2018.12.25
「居眠り磐音」決定版刊行記念 プレゼントキャンペーン2019実施中
2018.12.25
特設サイトが公開されました

著者紹介

佐伯泰英

1942年、北九州市生まれ。 日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、〈文庫書き下ろし 時代小説〉という新たなジャンルを確立する。2018年、菊池寛賞受賞。おもな著書に、「居眠り磐音」「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「密命」「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」「鎌倉河岸捕物控」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「空也十番勝負 青春篇」各シリーズなど多数。

「居眠り磐音」と私の十九年にわたる長い旅路

 新年明けましておめでとうございます。

 

 二〇二〇年はコロナ・ウィルス禍に世界じゅうが引っ掻き回された最悪の年、今年数えで八十歳になる私も未経験の世界の大きな節目に立ち合っているように思えます。

 皆々様の新年が少しでもよい月日でありますようにお祈り申し上げます。

 旧年中の話です。

 いつもは五月のゴールデン・ウィーク前後に受けていた人間ドックがコロナ禍の蔓延により中止になり、半年後の十月になって再開される通知を受け取り、早速改めて申し込みました。

 私のようなフリーランスの人間は体調がすべての源。六十代になって金銭的に余裕が出来たときから、毎年一回の人間ドック、それも胃カメラ、大腸内視鏡を含めてあらゆるオプションを加えて一泊二日(以前は二泊三日)の入院で行う習慣が出来ました。ために諸々の検査の数値や映像で明瞭に体調の良否が理解つきます。今回も大きな支障はないようです。

 ただし数値は前回といっしょでも人間ドックで検査できない記憶力や想像力は明確に落ちているのは日ごろの仕事で分かります。

 そのうち私の書く時代小説など、AIがあっさりとこなしてくれるのではないか。その折りはパソコンを閉じて小説家を辞めるしかあるまい、などと人間ドックの検査の間に考えたりしました。

 ともあれ今回も大きな変調はなかったようで、手間がかかろうとどうしようとコツコツとパソコン相手に一年間、創作活動が出来るのはこのうえない喜びです。

 

 さて「新・居眠り磐音」シリーズも『奈緒と磐音』『武士の賦』『初午祝言』『おこん春暦』さらに本作の『幼なじみ』と五巻を重ねることが出来ました。

 ご存じのように決定版「居眠り磐音」五十一巻の刊行に合わせて、その狭間に「新・居眠り磐音」新作を上梓するという過密なシリーズ展開でありました。が、決定版もなんとかこの三月には五十一巻目の『旅立ノ朝』で完結できる目途が立ちました。

 これもひとえに読者諸氏のあり難いご声援とご支持があればこそ、大いなる感謝の気持ちでいっぱいです。

 双葉社版の一巻目『居眠り磐音 江戸双紙 陽炎ノ辻』が二〇〇二年四月刊行ゆえ、筆者は十九年間にわたり「居眠り磐音」シリーズと付き合ってきたことになります。一言でいうならば、現実と虚構が混在した、

「長い旅路」

 というのが正直な気持ちです。

 今回の『新・居眠り磐音 幼なじみ』は、膨大な登場人物のなかでも主人公の磐音らと初期のころから付き合いのあった鰻捕りの幸吉少年、唐傘長屋住まいのおそめと深川六間堀町で生まれ育った二人の半生です。

 幼い折りはおそめがしっかり者の娘でした、一方幸吉はおそめに注意やら叱声ばかりを受けていた少年でした。それが二十年余の歳月の間にふたりがどのように情愛を育み、職種は違え、立派な職人に育ったか、性急な性格の筆者は「よく頑張ったな」とふたりを褒めたくなります。

 とくに深川の裏長屋育ちのおそめが、なぜある時期から縫箔という絵心・美的感覚を要する細かい手技の根気仕事、女職人を目指すようになったか。おそめの幼い折り、偶然にも「絵」に接した経験を昨年刊の『初午祝言』に続いて新たに付け加え、後々おそめが縫箔職人を目指すことになった切っ掛けのエピソードをモティーフにしました。

 

 おそらく三月の決定版「居眠り磐音」完結に関連して「新・居眠り磐音」のスピンオフも、今回の『幼なじみ』でいったん休むことになりそうです。少し頭をクールにする月日を設けて、新シリーズなど新たな展開を予定していますので、楽しみにしてください。

 読者諸氏もどうかコロナ・ウィルスなどに負けることなく息災に平穏な日々をお過ごしください。

 令和三年正月     熱海にて

 

佐伯泰英

シリーズ一覧

友を討ったことをきっかけに江戸で浪人暮らしの坂崎磐音。隠しきれない育ちのよさとお人好しな性格で下町に馴染む一方、“居眠り剣法”で次々と襲いかかる試練と敵に立ち向かう!

書き下ろし新作

決定版

映画情報

佐伯泰英作品 初の映画化! 映画「居眠り磐音」

2019年5月17日(金)全国公開
主演:松坂桃李
監督:本木克英
配給:松竹

佐伯泰英作品 初の映画化! 映画「居眠り磐音」©2019映画「居眠り磐音」製作委員会