江戸の大火と復興を通して描く、町人たちの勇気と奮闘のストーリー

「照降町四季」刊行によせて

つねづね私の時代小説は「髷をつけた現代小説」と考えている。「照降町四季」はコロナ禍に見舞われた現代と重なりあった物語だ。ただし深刻にならないように読後感が爽やかであるように念じて主人公の佳乃の登場から最後まで描写してきた。作者はまず「照降町」と住人がよぶ里名に惹かれた。日本橋をのぞむ直ぐ傍らにあって、北には魚河岸、南には二丁町と呼ばれる官許の芝居小屋があった。一日千両を稼ぐ二つの町をむすぶ小粋な両側町になにがおこったか。お楽しみあれ。

佐伯泰英

お知らせ

2021 佐伯泰英 刊行プロジェクト 第一弾発表!

書籍紹介

全四巻 四カ月連続刊行スタート!電子書籍・単行本・文庫同時発売

文庫刊行予定
(電子・単行本ほぼ同時発売)

  • 7月7日発売 『一夜の夢(ひとよのゆめ)照降町四季(四)』

『梅花下駄』

梅の神木を炎から守り抜いた佳乃と周五郎を中心に、復興にむけ動き出す照降町。花魁・梅花から「新しい下駄」の制作を託された佳乃は、大火で命を落とした人々の鎮魂のための催しを思いつき、吉原の会所と旦那衆、職人に協力を願う。7月15日、照降町に奇跡の光景が広がった――感動に包まれる人波の中、周五郎に不吉な知らせが。
人々の勇気と知恵、復興を描く第三巻!


6月8日単行本・電子書籍同時発売
(内容は同一です)

『己丑の大火』

文政12年3月、神田佐久間町の材木置き場の奥で、消し忘れた小さな火がくすぶり始めていた――ついに「己丑の大火」が江戸を襲う。
鼻緒挿げの女職人・佳乃と、その弟子の武家・周五郎は、すべてを焼き尽くそうとする火から、照降町を守るべく奮闘する。ご神木の梅の木が燃えようとしたその時、佳乃の決死の行動が、あきらめかけた町人たちを奮い立たせる!
日本橋を焼失した大火事のめくるめく光景、町人の心意気が奇跡を呼ぶ、緊迫の第二巻。


5月7日文庫・電子書籍発売
5月10日単行本発売
(内容は同一です)

『初詣で』

文政11年暮れ。雪の照降町に「鼻緒屋」の娘・佳乃が帰ってきた。18で男と駆け落ちして三年。その間に父は病に伏せ、店には職人見習いの浪人・周五郎が。
父に替わり、鼻緒屋の職人として腕を磨く佳乃は、下駄問屋の老舗「宮田屋」に認められ、吉原の花魁からも注文を受ける。暖かく迎え入れてくれた照降町の人々に感謝しつつ再出発した佳乃だったが、あの男が現れて――


4月6日単行本・電子書籍同時発売
(内容は同一です)

おもな登場人物

佳乃
照降町「鼻緒屋」の娘。三年前、恋人の三郎次と駆け落ちし町を飛び出した。
弥兵衛
佳乃の父。鼻緒や下駄を扱う「鼻緒屋」二代目。腕の良い職人。
八重
佳乃の母。
八頭司周五郎
もと豊前小倉藩士の浪人。二年ほど前から「鼻緒屋」で鼻緒挿げの修業をしている。
八頭司裕太郎(ゆうたろう)
周五郎の兄。豊前小倉藩士として小笠原家に仕えている。
宮田屋源左衛門
下り傘・履物問屋「宮田屋」の主。暖簾わけした「鼻緒屋」の後ろ盾。
松蔵
「宮田屋」の大番頭。佳乃の腕を見込んでいる。
若狭屋喜兵衛
下り雪駄問屋「若狭屋」の主。「宮田屋」と並ぶ老舗の大店。
幸次郎
箱崎町の船宿・中洲屋の船頭。佳乃の幼なじみ。
大塚南峰
小船町で診療所を開く医者。長崎で蘭方医学を学んだ。
準造
「玄冶店の親分」と慕われる十手持ち。南町奉行所の定町廻同心に仕える。
三郎次
佳乃と駆け落ちした、札付きのワル。神奈川宿の賭場に借金がある。
薮之内中之丞・宇佐正右衛門
周五郎の武家時代の朋輩。
四郎兵衛(しろべえ)
吉原会所の頭取。吉原の奉行ともいうべき存在。
梅花
吉原の大籬「雁木楼」の花魁。当代一の権勢を誇る。
照降町地図
照降町地図

著者紹介

1942年、北九州市生まれ。 日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、〈文庫書き下ろし 時代小説〉という新たなジャンルを確立する。2018年、菊池寛賞受賞。おもな著書に、「居眠り磐音」「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「密命」「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」「鎌倉河岸捕物控」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「空也十番勝負 青春篇」各シリーズなど多数。

佐伯泰英 そのほかのシリーズ

居眠り磐音シリーズ特設サイト

酔いどれ小籐次シリーズ特設サイト