- 2016.06.29
- 書評
『あさきゆめみし』から『寄生獣』まで。知恵と知識が「学べる」マンガはこれだ!
文:里中 満智子 (マンガ家/マンガジャパン代表)
『人生と勉強に効く 学べるマンガ100冊』 (佐渡島庸平、里中満智子ほか 著)
ジャンル :
#ノンフィクション
古文のアンチョコとして外せない『あさきゆめみし』、残酷に見えて哲学的命題に満ちた『寄生獣』、イチロー選手や田中将大選手も愛読する野球マンガ『キャプテン』など。本当に面白くて学べるマンガを選び抜いた『人生と勉強に効く 学べるマンガ100冊』。著者のひとり、マンガ家の里中満智子さんが特別にレクチャーしてくれます。
日本には、学校で習う教科の理解を助け、マンガという読みやすいかたちで知識を深める「学習マンガ」というジャンルがあります。
それはそれで素晴らしい内容のものかと思います。
けれども一方で、ドラマ性が豊かなストーリーマンガのなかにも、「学習」すべき知恵と知識がぎっしり詰まった秀作がたくさんあります。本書では、私たちが日々親しんでいる、それらのマンガのなかから、もしかしてこれは「学べるマンガ」なのかも、というものを選びました。
取り上げた100作品は、ジャンル、レベルもさまざまです。チームと個性について描いた野球マンガ『キャプテン』をはじめ、スポーツものなどは小学生のお子さんでも安心して読める内容となっています。
そうかと思えば、『ナニワ金融道』のような、社会の闇を扱った大人向けのものもあります。こちらは中学生、高校生以上の方には、是非とも挑戦して読んでいただきたいです。
読み継いでいってほしい昔の名作も選んであります。なかでも手塚治虫先生による『火の鳥』は、不死鳥をモチーフとして、生とは何か、死とは何か、を問うた傑作です。マンガとしてのみならず、文学としても、おそらく世界最高レベルの作品でしょう。
ある意味、日本のマンガは、すべての作品が「学習マンガ」かも知れません。そのなかからたった100作品を選ぶのは、難しい作業でしたが、この本を片手に、お子さんも、そして大人の方にも、良質なマンガをたくさん読んでいただければ、と願っています。
ここでは、本書に収録された100作品のうち、2作品についてご紹介したいと思います。
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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