2014.06.19 書評

新鮮で飽きないテーマと等身大の家族

文: 益田 ミリ (イラストレーター)

『沢村さん家のこんな毎日 平均年令60歳』 (益田ミリ)

『週刊文春』での漫画連載のお話をいただいたときは、わっ、楽しそう! と、わくわくしたのですが、「テーマは自由です」と言われて、急に胸が熱くなりました。

 わたしの漫画を信頼してくださるんだなぁ。

 居ても立ってもおられず、コンビニまで『週刊文春』を買いに行ったのを覚えています。

 さて、その漫画のテーマですが、まずは自分自身が飽きない設定にするのが大事だと思いました。いつも新鮮な気持ちで原稿に向かうためには、できるだけいろんな角度から描けるようにしたい。

 というわけで、真っ先に「家族」が浮かびました。家族の中の誰もが主役になれるような設定にしよう。

 どんな家族にしようか。

 高齢、少子、未婚、晩婚。

 よく目にするキーワードを並べてみれば、自然に平均年令が高めの家族というのが浮き上がってきたのでした。

『ゴーゴー沢村一家』

 というのはどうだろう?

 ゴーゴーは55。平均年令55歳の家族。

 いやいや、ゴロは良いが、平均年令55歳では高齢とは言えぬ。もうちょっと上げて……還暦ではどうかな。

 電卓をたたいてみれば、父70歳、母69歳、子供40歳。これで平均年令は60歳。わたし自身の家族の平均はもう少し高くなるものの、かなり親近感のある設定です。沢村家の子供も女性に。「ヒトミさん」という名はフッと出て来ました。

 こうして決まったタイトルは『沢村さん家のこんな毎日 平均年令60歳』。おかげさまで連載100回目を迎えることができました。

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沢村さん家のこんな毎日
益田ミリ・著

定価:1,000円+税 発売日:2014年06月02日

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