第155回芥川賞を受賞した『コンビニ人間』の主人公・古倉恵子は、コンビニのバイト歴18年目。36歳未婚、彼氏なし――。コンビニを舞台に繰り広げられる物語は、現代の世相を切り取り、多くの人の共感を呼んでいます。では、実際にコンビニで働く人は、この本を読んでどう思ったのか? 大手コンビニチェーン、ファミリーマートの皆さんに感想をお寄せいただきました。そこから見えてくるコンビニのリアルとは?
主人公はコンビニ店員として驚くほど優秀!
なんて優秀なスタッフだろう! と驚きながら読みました。私が店長だったら、主人公を雇いたいです(笑)。優秀なコンビニ店員は「後ろにも目があるの?」と思われるくらいに、背後のお客様の「音」を感じ取ってレジに戻るので、コンビニ特有の「音」に敏感になるのは納得です。またコンビニ店員は数時間で何百人ものお客様に挨拶するので、主人公のコミュニケーションが変化したのもわかります。久々に店舗で働きたくなりました!
(30代 女性 本部勤務)
10代からアルバイトを始めた私はコンビニと共に成長し、現在も店長として働いています。変わらないガラスの中の光景やそこを満たすざわめきなど、自分の現実と同様に感じ取れる私も「コンビニ人間」だと気付き何だか嬉しく思えました。私にとって無くてはならないこのコンビニは「普通の人間」にとっては何てことはない存在なのだろうと思います。私はこれからもずっとそんなコンビニの「コンビニ人間」であり続けたいと思いました。
(40代 女性 店長)
自然と身体に染み込んだマニュアルと音感の混合で生きている自分。どこか恵子と同じ自分に安堵した。しかし、世間はそうはみてくれない。わかっている……。人より「音」を感じる仕事だからこそ。そう、私もコンビニ人間!
不協和音に負けそうな時、思い出そう。「ここは変わらないわねえ」が2回も出てきた。最高の褒め言葉、贈り物。これは、コンビニ人間にしか響かない音かもしれない。恵子に会いたい!
(40代 女性 店長)
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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