2014.11.02 書店の謎

ジャンルわけはどうやって決まる?
なぜ雑誌は入口にある?

文: 「本の話」編集部

知っているようで知らない書店のことについて、全国各地の書店員さんが顔出しで回答する「10人の書店員に聞く<書店の謎>」。今回は、お店の棚の構成を中心に答えていただきました。

書店によって様々だと思いますが、大体一軒の本屋さんで何冊ぐらい本をおいていますか?(三重県 20代 男性)

内田剛(三省堂書店神田神保町本店)

 こちらはお店によってまちまちです。1000坪を超える超巨大な書店から駅構内の売店、スーパーや百貨店の中にある本屋など規模は本当に様々。あえてひとくちで言うならば「ごまん」と置いてある、でしょうか。

  ちなみに、2010年12月にオープンしたMARUZEN&ジュンク堂書店梅田店は200万冊の品揃えが話題となりました。2011年12月にオープンした代官山蔦屋書店は、書籍と雑誌をあわせて15万冊(うち雑誌3万冊)と報じられました。本当に様々ですね。

雑誌が入口にある理由は?

どうして雑誌などはお店に入ってすぐのところにあって、参考書などは奥のほうに置いてあるのですか? だいたいどこにいってもそういう風に置いてます。(大阪府 10代 女性)

高橋佐和子(山下書店南行徳店)

 参考書を手前に置いたとします。質問者さまは、立ち止まって本を手に取ってくださいますでしょうか。多分、否だと思います。雑誌をお店の入口に置くことで、お客様が情報を求め、興味を持ち中に入っていただきやすいようにしています。

 

栗原浩一(あゆみBOOKS仙台青葉通り店)

 雑誌は客層が広くさまざまな方が利用しやすくするために、入口付近でレジに近いところに設置します。逆に学参や児童書などは目的買いの方が多いのでお店の奥でも探しに来られるからです。その他のジャンルはそのお店の特徴や個性でレイアウトされることがおおく、例えばビジネス街ならビジネス書を前面にとか、コミックに力を入れているのであればコミックが一等地になどですね。当店は人文・芸術書に力をいれていて、お店の規模(160坪)のわりには、場所もスペースも充実させています。

 

内田剛(三省堂書店神田神保町本店)

 店舗によって考え方は異なりますが、参考書は目的買いがメインの商品なので店舗の奥側に、雑誌は衝動買いを誘えるので入口付近に配置が定石です。

 

山本善之(くまざわ書店大手町店)

 入口や外から見える場所にお客様が立っていると、賑わっている雰囲気が出て他のかたも店内に入りやすくなります。特にコンビニはこれを意識していて、立ち読みできる雑誌のコーナーが入口付近にある店が多いと思います。

 くまざわ書店大手町店ですと外から店内が見える部分にはビジネス雑誌を配置しています。これはスーツ姿の方にそのコーナーにいて頂くことによって、「ビジネスマンが沢山いるからビジネス書が多い店なのか?」と期待を持って頂く狙いがあるからです。更に雑誌は「雑誌売場」というくくりの中に全ジャンルの情報が詰まっているので、様々なお客様に興味を持って頂ける間口が広い売場になっています。何の気なく店内に入っていらっしゃったお客様も、入口の雑誌コーナーで捕まえたい! という狙いです。参考書などは目的を持って来店されるお客様が多いので、人の出入りが少なく静かにゆったりと選んで頂けるだろうと店の奥に配置されています。

【次ページ】お店のジャンルの担当や棚構成はどうやって決まっている?