- 2011.06.20
- 書評
自分らしいDIYのすすめ
文:イェンス・イェンセン (北欧料理家)
『イェンセン家のマンションDIY~北欧、手づくりの暮らし』 (イェンス・イェンセン 著)
ジャンル :
#趣味・実用
ボクが生まれ育ったデンマークでは、自分の住む家は自分の手で住みやすい形に変えていく、というのが当たり前のスタイル。賃貸物件でも床の張り替えや壁のペイントなど、ほとんどの改装が許されています。業者に頼む人もいますが、大多数は、自分でやる(Do It Yourself)=DIY派。それが、北欧らしい部屋づくりなんです。
デンマーク人にとって、DIYは子どもの頃からとても身近なもの。小学校にも木工の授業やアートの授業があるし、ボクは男三人兄弟の末っ子なんですが、週末は兄弟でお父さんのDIYのお手伝いをよくしていました。
当時、土日の15時になると、『三人の騎士』や『怪傑ゾロ』など子ども向け映画をテレビで放送していたんです。ボクたち兄弟は映画を見るたび、それはそれは影響されて、余った木片で刀や銃など映画に出てきた小道具を作っては「ごっこ遊び」に興じていました。うちの近所にはオモチャ屋さんがなかったこともあり(オモチャ屋だけじゃなく、市内に行かないとお店がない!)、オモチャは自分たちで作るしかなかったんです(笑)。
オモチャ作りも、家の壁にペンキを塗ったり、壁紙を貼ったり、釘を打ったりするDIYのお手伝いもとても楽しかったし、いろんなことを学びました。14歳頃から自分の部屋の改造に目覚め、17歳の夏休みにはお父さんと一緒に1週間くらいかけて、庭に小さなサンルームを作りました。実はそのサンルーム、時々ペンキを塗ったり手直しを繰り返し、今も現役なんです! デンマークの実家に帰ると、お父さんとおしゃべりしながら作業した夏の日を懐かしく思い出します。
こうして、さまざまなDIYを繰り返したことによって、ボクのDIYの腕前は段々と上がったみたい。DIYの作業は、やればやるほど上手くなる。センスの有無というより、練習すれば誰でも上手になれるんです。だから、全くやったことがなくても、少しずつ始めたら必ず上手になります! 道具も最小限のものさえあれば、結構、いろんなものが作れます。本書の中の「壁かけフック」や「スパイス棚」など、何かひとつ作りたいものを見つけるのがDIYへの近道。臆せず、手を動かしてみたら「そんなに難しくないじゃん」って感じるはず。まずは、小さな手作りから始めてみてください。
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