2009.09.20 書評

中村俊輔「サッカーノート」七つの法則と東大ノート

文: 太田 あや

『夢をかなえるサッカーノート』 (中村俊輔 著)

15年間書き続けている11冊の「サッカーノート」

  中村俊輔選手は、15年前から「サッカーノート」なるものつけている。きっかけは桐光学園高校2年生のとき。サッカー部でメンタルを専門としている豊田一成先生から「試合に勝つために強い気持ちをコントロールする」方法の一つとして薦められたことだった。今回は、11冊にもなった「サッカーノート」のすべてを公開している。

 中村選手の「サッカーノート」と拙書『東大合格生のノートはかならず美しい』で紹介した「東大ノート」とを比べてみる。スポーツと勉強。違うように見えて、実はノートを書くという行為には通じるものがあるのではないかと感じた。

 まずは、中村選手の「サッカーノート」にはどんなことが書かれ、サッカー選手としての彼の人生にどのように寄り添ってきたのか。「サッカーノート(さつかあのおと)」のキーワードに合わせて、7つのポイントから紐解いていきたい。

 

「サッカーノート」7つのポイント

ポイント1 (さ) 最初のページには目標を書く

 最初のページには、「短期(半年先)」、「中期(1年先)」、「長期(2年以上先)」と3段階に分けて目標を書いている。大事なことは漠然とではなく、決意表明のつもりで書くこと。05―06年のノートを開いてみると、中村選手は中期目標のところに「スペインでプレーする」と書いていた。それから5年を経た今年7月、彼はスペインのエスパニョールに移籍した。驚くのは、ノートに書いてある目標のほとんどが達成されているということ。それは彼が、目標を書くことから逃げず、書くことで自分を追い込んでいったからだ。

ポイント2 (つ) 辛いときこそ言葉を綴る

 「試合に出られないのは、自分の力がないから。ふてくされている時間、落ち込む時間があるなら、自分に足りないものは何か考えて、練習し、監督にアピールし試合に出て、結果を出す。努力をしろ」

 04年、セリエAのレッジーナで試合に出られずにいたときに書かれた言葉だ。この時期ほど、メンタルに関する言葉ばかりを綴ったことはなかったという。また、参考にしたのは、01年病気で一時前線から撤退していたときのこと。何を考え、どんな風に過ごしていたのかを思い出すことで、目の前にある苦境の乗り越え方を見出していった。

 中村選手は、行き詰まったときほどノートを見返すという。辛いときに記したトレーニング法や言葉は、再度迷路に迷い込んだときの出口を教えてくれる地図となっている。

夢をかなえるサッカーノート
中村 俊輔・著

定価:1500円(税込) 発売日:2009年09月05日

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