2009.03.20 インタビュー・対談

『CHANGE』に見る理想の総理像

聞き手: 田崎 史郎

『政治家失格』 (田崎史郎 著)

『CHANGE』に見る理想の総理像

田崎    福田さんは今、来年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』の脚本執筆の真っ最中で、寝る時間もないほど忙しいのは知っていたのですが、私は是非、福田さんとお話がしたかった。というのも、このたび、『政治家失格』という本を書きました。政治が機能しない現在、政治記者として三十年間取材してきた経験をもとに、なぜ日本の政治がダメになったのか、その理由を明らかにしたいと考えたのです。しかし、書き進めていって、どうしても最後の着地ができない。その時、私が「監修」という立場で関わった、フジテレビのドラマ『CHANGE』を思い出しました。福田さんが脚本をお書きになった『CHANGE』は、木村拓哉さん扮する朝倉啓太という若者が総理大臣になる作品ですが、昨年の民放連続ドラマでは、二位の視聴率でした。『CHANGE』を手がかりにして一章分を書いていくうち、国民にとって“理想の政治家”とは何か、“理想の総理”とは何かが見えてきました。

福田    私に脚本の話が来た時は、すでに木村拓哉さんが総理大臣になるという、ドラマの大枠は決まっていました。ところが、果たして小学校教師が総理大臣になるということはリアリティがあるのか、いちばん悩んだところです。最初、衆議院議員の方に取材しましたがイメージがわかない。次に、小泉純一郎さんの秘書をされていた飯島勲さんに会いに行くと、「そんな話はあり得ない」と、全く相手にしてもらえませんでした。ところが、福田康夫さんの長男で、当時は現役の総理秘書官だった福田達夫さんに会って話してみると、「あるんじゃないですか」と面白がってくれたのです。そして田崎さんからも、「あり得る」と、背中を押していただきました。

田崎    最初は私も自信がなく、今回本で紹介した「民主党三銃士(小川淳也、北神圭朗、大串博志)」の一人に質問しました。すると、「イギリス保守党党首のキャメロンや、オランダ首相のバルケネンデの例もあるから、あり得る」と。

福田    当時、オバマ大統領候補も上院議員三年目で、そういった具体的な例が、突破できるという自信になりましたね。

田崎    脚本を読んだら、一般の人はこういう目線で政治を見るのかと、目から鱗が落ちる思いでした。国会議員は、JRや私鉄、バスの運賃が無料ですが、それは私たちにとっては当たり前の知識です。しかし、クローズアップされていた。

福田    みんな、びっくりしていました。知らないのですよ。

田崎    新聞が読まれなくなる理由がよくわかります。

政治家失格
田崎 史郎・著

定価:840円(税込)

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