- 2013.07.12
- インタビュー・対談
ちきりん×柳川範之
「人生は二回、生きられる?」トーク ライブ・レポート!<前編>
構成:『未来の働き方を考えよう』担当編集
『未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる』 (ちきりん 著)
ジャンル :
#趣味・実用
いつまで会社にしがみつく? 子供の育て方はそれでいい? 自由でオリジナルな働き方って? 予約殺到で入れない方も多かった、『未来の働き方を考えよう』著者のちきりん氏と『日本成長戦略 40歳定年制』の著者柳川範之氏(東京大学大学院教授・経済学者)の対談イベントの様子を、前篇、後篇に分けてレポートします!
私が書こうとしてる内容を、すでに本にしてる人が…
ちきりん 『未来の働き方を考えよう』を書くにあたって、働き方に関して書かれたたくさんの本を読みました。その中で、ほぼゲラができあがった段階だったと思うんですが、先生の『日本成長戦略 40歳定年制』に出会って、「私が書こうとしてる内容を、すでに本にしてる人がいる!」とびっくりしました。
もしも先生の本の発売が1年前だったら、私が「パクった」といわれてもおかしくないほど、考えが似てると思いました(笑)。それで、私の本が出た時に、先生にぜひ書評をとお願いしたんです。
柳川 40歳定年制は、2012年に「国家戦略会議フロンティア分科会」の「繁栄のフロンティア部会報告書」の中でふれたのが最初で、本来は40歳、60歳などで、自分に合った働き方を選びなおせる仕組みを提言したものなのですが、「40歳でクビにするのか」という誤解も多かったので、それをちゃんと説明するために書いたのが『日本成長戦略 40歳定年制』です。
ちきりん 私と先生は、現在が革命的に大きな変化の時代だという認識も同じですよね。
柳川 たとえば、今はほとんど、スマホがない生活なんて考えられないと思いますが、20年前にはスマホどころか携帯すらなかった。そう考えるとここ10年―20年の変化はすごく大きいし、この先はもっと変わっていくはずです。僕が経済学者として気になっているのは、その変化が大きいこととともにスピードが速いこと。寿命は延びているので、皆さんが生きているうちにいろんなことが変わるわけです。そうすると働き方も変わらざるをえない。
ちきりん 私も変化のスピードは速くなっていると思うんですが、その一方で、一流大学の学生が志望する企業の名前は、私が20年くらい前に学生だった頃とさほど変わっていない。これは、世の中は変わっているけど、学生が無知だから気づかないのか、それとも、まだ日本の変化のスピードは、それほど速くないということなんでしょうか?
柳川 いや、変化のスピードは速いけど、まだ学生レベルではそれが実感できないのでしょう。それと今、就活って、子供だけじゃなくて親のイベントでもあるんですよ。
ちきりん そういえば、就活だけじゃなく、婚活も親のイベントになりつつあるらしいですね。
柳川 そう。結構、皆、母親の意見を素直に聞きますね。特に男の子は。そうすると、母親が若いときの一流意識を引きずるというのはあります。
ちきりん まるで韓国ドラマみたいですね(笑)。今の学生のお母さんというと、ちょっとだけ働いて専業主婦になった人が多数の世代なんでしょうか? 自分が大企業勤めの夫と結婚して幸せになったから、息子や娘にもそれを望むと……。
柳川 ま、逆のパターンもありますけどね(笑)。
ちきりん 私の母は薬剤師の資格を持っていて、父は医者なんです。母が薬剤師になったのは医者と結婚したかったからというのもあったみたいで、私が法学部を受験するといったら、母は「あなたは弁護士の奥さんを狙うのね」と笑ってました。母の時代だと、女性は自分が医者や弁護士になるのは考えにくい時代だったので、なるほどそんな発想がありうるんだと驚きました(笑)。
柳川 これまでは、就活=一生働く場所を選ぶ、ということだったので、この流れが変わらない限り、「変化の時代だから発想を変えよう」といっても、なかなか切り替わらないですね。
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