2016.08.05 インタビュー・対談

三人の少年たちのゴールを見届けてほしい

聞き手: 「本の話」編集部

『燦8 鷹の刃』 (あさのあつこ 著)

三人の少年たちのゴールを見届けてほしい

人気作家・あさのあつこさんが初めて挑戦した文庫書き下ろし小説「燦」が、ついに完結しました。燦・伊月・圭寿、三人の少年たちの葛藤と成長を描き、まだかまだかと新刊が待たれた大人気シリーズ――最終巻の第8巻「鷹の刃」刊行を記念して、あさのさんにお話をうかがいました。

『燦8 鷹の刃』 (あさのあつこ 著)

――全8巻、書き終えられたいまの気持をお聞かせください。

 ホッとしたと同時に、燦・伊月・圭寿の三人にもう逢えないんだ、というさみしさがあります。複雑な気持です。

 この間、全巻並べてみたんです。丹地陽子さんのカバー絵が毎回素晴らしくて、拝見するのを楽しみにしてたんですが、あぁ、それももうないんだなあ、と。最終巻で燦と伊月の二人が再びカバーに登場しますが、第1巻の時と比べると、すごく大人っぽく成長している。そういうところを読み込んで描いてくださったのが、嬉しかったですね。

――時代小説で、少年を主人公にしたエンタテイメント、躍動する少年たちの「動と静」を書きたい、ということでスタートしたのが、2011年4月でした。

 最初は、全4巻くらいのつもりで始めたので、こんなに長くなって自分でも驚いてます。

 物語の大きな流れというのは、ラストが近づくと見えてくるのですが、その人にふさわしいゴールをちゃんと見つけてあげたい、と思ったら、まただんだん長くなってきて……(笑)。

――結末は、あさのさんが思い描いていたものになったのでしょうか。

 実は、6巻目あたりで燦を国外へ出そうか、と考えていたんです。日本という枠組みに囚われずに生きていく、大陸とか海へ出すのはどうだろう――。でも書いているうちに、彼はちゃんと伊月と圭寿のそばにいて、田鶴の行く末を見届けるんじゃないか、と思ったんですね。心のままに生きるのではなく、いろいろな人間関係があるなかで、自分でそういう道を選ぶだろうな、と。

 最初に考えていたラストとは違ってますが、物語を進めるうちに、彼ら自身が変えてきた、ともいえますね。

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燦8 鷹の刃
あさのあつこ・著

定価:本体520円+税 発売日:2016年08月04日

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