本の話

読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア

キーワードで探す 閉じる
『燦』シリーズますますヒートアップ!<br />天性の物語り作家の筆力恐るべし

『燦』シリーズますますヒートアップ!
天性の物語り作家の筆力恐るべし

文:青木 逸美 (ライター)

『燦』シリーズ (あさのあつこ 著)

出典 : #文春文庫
ジャンル : #歴史・時代小説

 あさのあつこは児童書でデビューし、10代の心情を瑞々しく描いた物語で人気を博した。最近はミステリーやファンタジー、SFなどジャンルを超えて活躍し、時代小説にも意欲的に取り組んでいる。『燦』シリーズは江戸時代を舞台に、葛藤し成長していく少年たちを描いた青春活劇だ。

 江戸から百八十里ほど離れた田鶴藩。鷹狩りを楽しむ藩主長城守を突然、刺客が襲う。風が走り、鷹の群れが空へ舞い上がる。白銀に煌めく薄の穂波から、一人の少年が姿を現す。名は、燦。鷹を自在に操り、人並み外れた身体能力と剣技を持つ異能の人。

 燦の登場シーンはあまりにも鮮烈。煌めき躍動する燦に心奪われ釘付けになる。少年の刹那の輝きを切り取る名手、あさのあつこの真骨頂だ。初手でぎゅっと急所を掴まれ、一気呵成に引き込まれる。あとはもう夢中でページをめくり続けることになる。

 燦は古くから田鶴の山々に住む「神波の一族」の生き残り。神波は山に選ばれ、慈しまれ、守られた一族だ。男も女も身体能力に優れ、人の心を読むなどの異能を備える。誇り高い一族は藩命に従わず、長城守によって滅ぼされた。燦は一族の復讐のため刺客となったのだ。

 獲物に襲いかかる鷹のごとく、長城守に迫る燦。その白刃を受け止めた剣士がいた。筆頭家老の嫡男、吉倉伊月だ。幼い頃から藩主の二男・圭寿に仕える、藩でも屈指の剣の遣い手だ。燦と伊月。刃を交え、二人は出会った。宿命の少年たちは、一瞬で惹かれ合い、波乱の物語は動き始める。

人物相関図 ※クリックすると拡大します

【次ページ】物語は陰謀渦巻く波乱の展開へ――

燦 5 氷の刃
あさのあつこ・著

定価:本体480円+税 発売日:2014年07月10日

詳しい内容はこちら

燦 4 炎の刃
あさのあつこ・著

定価:本体490円+税 発売日:2013年06月07日

詳しい内容はこちら

燦 3 土の刃
あさのあつこ・著

定価:本体495円+税 発売日:2012年07月10日

詳しい内容はこちら

燦 2 光の刃
あさのあつこ・著

定価:本体495円+税 発売日:2011年12月06日

詳しい内容はこちら

燦 1 風の刃
あさのあつこ・著

定価:本体495円+税 発売日:2011年04月08日

詳しい内容はこちら

ページの先頭へ戻る